インターンにせめて最低賃金を払え!
日本でインターンシップと称する会社見学をやっている学生たちには絶対理解できないEUの悲惨な若者たちの実情を知るには、こういう記事を読むのが一番です。
https://www.etuc.org/en/pressrelease/parliament-pay-interns-least-minimum-wage
Parliament: Pay interns at least minimum wage
欧州議会:インターンにせめて最低賃金を払え
The European Parliament has today voted by a large majority to ban unpaid internships – putting the ball firmly in the court of the European Commission to stop employers exploiting young people.
欧州議会は今日、大多数で不払いインターンシップを禁止すべしと投票し、使用者が若者を搾取するのをやめさせるボールは欧州委員会の手に渡った。
The report on quality traineeships adopted in plenary, with 404 votes in favour compared to just 78 against, includes calls for an EU Directive that will introduce:
• Fair remuneration in line with minimum wage
• Social Security coverage
• Clear training and learning objectives
本会議で賛成404票、反対78票で採択されたこの質の高い訓練制に関する報告は、次のものを導入するEU指令を求めてる。すなわち、最低賃金に沿った公正な報酬、社会保障の適用、明確な教育訓練目標だ。
The report comes after a decade long campaign by trade unions to ban unpaid internships, which sees young people used as cheap labour and deepen social inequality.
この報告は若者を安価な労働力として使い社会的不平等を拡大する不払いインターンシップを禁止せよという十年にわたる労働組合のキャンペーンに応えるものだ。
先日書いたように、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/05/post-cb629a.html
・・・・・それにしても、労働者として扱われない訓練生として長期間にわたり無報酬ないし低報酬で働き続けているヨーロッパの訓練生たちにとっては、似たような言葉で呼ばれる日本の若者たちの状況は、同じ地球上の出来事とはとても考えられないようなことでしょう。
ジョブ型とかメンバーシップ型といった本来事実認識に基づく学術用語をもてあそぶのであれば、最低限、それらが社会的にもたらす若者雇用への影響がいかなるものであるのかということについての正しい認識を踏まえた上でやって貰いたいものです。
« こども未来戦略方針 | トップページ | 言いたい(であろう)ことには賛成なんだが、言ってることは完全にナンセンス »
コメント
« こども未来戦略方針 | トップページ | 言いたい(であろう)ことには賛成なんだが、言ってることは完全にナンセンス »
> 低い処遇で裁量性の低い仕事で長時間労働をするという不条理に耐えなければ管理職に到達しないのです。管理職になって高給をもらって相対的に裁量的に仕事を進められるようになるためには、相当の長期間にわたって不条理に耐えなければならない。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-e3bef9.html
まあ、日本でも「管理職になることが期待されない」と言う意味で似たような事例というのはあると思いますけどね。
逆に言えば、欧州では「将来、良いジョブに就くことが本当に期待できるのか?」ということが、問題なのでしょう。
投稿: うい | 2023年6月15日 (木) 03時07分