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2023年6月17日 (土)

ジョブ型のエンゲージメント、メンバーシップ型のエンゲージメント

なにやらギャラップの職場意識調査で日本の労働者の熱意が低いとかいう記事が話題になっているようですが、

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF131HN0T10C23A6000000/(日本の「熱意ある社員」5% 世界は最高、広がる差 米ギャラップ調査)

米ギャラップが13日まとめた「グローバル職場環境調査」によると、仕事への熱意や職場への愛着を示す社員の割合が日本は2022年で5%にとどまった。サンプル数が少なくデータがない国を除けば、調査した145カ国の中でイタリアと並び最も低かった。4年連続の横ばいで、世界最低水準が続いている。・・・・

なぜか「熱意」とか訳していますが、これは元の調査の用語ではエンゲージメントです。

 そして、調査対象国の圧倒的大部分がジョブ型雇用社会である以上、このエンゲージメントという言葉はいうまでもなくジョブに対するエンゲージメントを意味します。ジョブの如何を問わない会社への愛社精神という意味にはなりません。

その証拠に、ギャラップのサイトのこの調査結果を示すところに、

https://www.gallup.com/workplace/349484/state-of-the-global-workplace.aspx

Ma5z8kv2j0ko74ipiw4pog

Employee engagement reached a record high in 2022.

"I enjoy my work, and I would miss something if I didn't have to work, even if the money stayed."

- HARTMUT, 63, IT SECURITY MANAGER, GERMANY

ドイツのITセキュリティマネージャーの言葉が引用されています。曰く、「私は私の仕事を享受している。もし仕事をしなくてもいいといわれたら、たとえ給料がそのままであっても何かを失ったみたいに感じるだろうね」

そもそも調査の設計が、日本以外のジョブ型雇用社会向けに、自分のジョブに対する愛着の如何を問うているのであって、どんな仕事を命じられようが一生懸命会社に貢献すべしという会社への愛着を問うているのではない以上、日本の労働者の得点が低くなるのはいうまでもないことです。

逆に、いかなる仕事をやらされようが一貫しての会社への愛着を聞かれたら、日本の得点は異常に高くなるでしょうが、それはそもそも他国と比較する意味があまりない数字でしょう。

それが、純然たる外資系企業の日本IBMで、仕事基準で所属していた会社から引き剥がされた日本人労働者達が怒りのあまり裁判に訴えたことからもわかります。

彼等に、お前は会社名だけにこだわってジョブに対するエンゲージメントがないのかと批判してみても、何の意味もないわけです。

 

 

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コメント

 最近日本の労働者の生産性が低くなっている、と言われています。
 日本の労働者がメンバーシップ型雇用で仕事へのエンゲージメントが低いのと生産性とが関係があるのか否か、統計調査をしてみると面白そうですね。

 どのように調べるべきか、色々難しそうではありますが。

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