児美川孝一郎『キャリア教育がわかる』
児美川孝一郎さんより『キャリア教育がわかる』(誠信書房)をお送りいただきました。
https://www.seishinshobo.co.jp/book/b10031597.html
2004年に日本の学校に導入されたキャリア教育は、言葉としては普及した。
しかし、まだその理解は曖昧模糊とした状態にある。そのキャリア教育を、体系的かつ丁寧に解説するのが本書である。
読み物のような記述により、基本的事項からホットな争点まで、全体像を把握することができる。教職をめざす学生、実践に取り組む教師、教育行政関係者はもちろん、初めて学ぶ人にとってもしっかり「わかる」キャリア教育の決定版テキストである。
児美川さんからは今までもキャリア教育に関する本を何冊もお送りいただいていますが、今回の本は、一番テキストブック的な感じです。「的」といっても、そうは問屋が卸さないので、ところどころトゲがしっかりはめ込んでありますが。
第I部 キャリア教育――はじめの一歩
第1章 学校がキャリア教育に取り組む理由
トピック1 地方創生とキャリア教育
第2章 誤解にまみれたキャリア教育
トピック2 フリーター・ニート対策か,やりたいこと探しか?
第3章 キャリア教育が求められる背景
第II部 キャリア教育のこれまでと現在
第4章 キャリア教育とは何か
トピック3 諸外国におけるキャリア教育
第5章 キャリア教育の現在
トピック4 大学におけるキャリア支援・教育
第III部 キャリア教育の内容と方法
第6章 特別活動を通じたキャリア教育
トピック5 どうする? キャリア・パスポート
第7章 教科でキャリア教育に取り組む
第8章 学校教育全体を通じたキャリア教育
トピック6 職場体験,インターンシップの現状と課題
トピック7 子どものキャリア形成にとっての部活動
第9章 キャリア教育の評価
トピック8 キャリア教育を通じて身につける能力
第IV部 キャリア教育の推進体制
第10章 誰がキャリア教育を担うのか
トピック9 社会人経験のない教師にキャリア教育ができるのか
トピック10 キャリア教育におけるキャリア・カウンセリング
第V部 キャリア教育──未来へ
第11章 日本の学校とキャリア教育のゆくえ
トピック11 家庭,地域におけるキャリア教育
トピック12 エージェンシーを育てるキャリア教育
概ね文部科学省系列のキャリア教育の展開の流れに沿って論じていきますが、ちょっと雰囲気が変わるのは第11章で、ここでは最近の教育政策が文部科学省の頭越しに、経済産業省が仕込んで官邸主導で進められてる姿が,描き出されていきます。
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