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2023年5月21日 (日)

ピケティの『資本とイデオロギー』は8月にでるらしい

09048_1_20230521211501 もう2年近く前に、みすず書房から『資本とイデオロギー』の非売品をお送りいただいた時に、そのことを本ブログに紹介したのですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-e7dad0.html

みすず書房さんから薄い封筒が送られてきました。何じゃらほいと開けてみると、開けてびっくり、中から出てきたのは桃から生まれた桃太郎、じゃなくって、トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』!

いやいや、まさかあの分厚い本が出たわけではありません。50ページほどの小冊子の表紙の真ん中あたりには、

内容見本(非売品)

12月上旬刊行予定

の字が。

ふむふむ、1000ページを超える大著の前宣伝に、抜き刷り方式で「中身のチラ見」をやろうというわけですな。

抜き刷りされているのは、第1章が始まる前の「はじめに」だけなんですが、それだけで50ページを超える代物。目次を見ると、今回の本が格差レジームを切り口に人類史を一刀両断するものすごい本であることが分かります。

・・・・・

最近人口に膾炙しているバラモン左翼という言葉も、この文脈で出てきたものであることが分かります。

ていうか、今までほとんど何のおつきあいもなかったみすず書房さんから今回の抜き刷りが送られてきたのは、おそらく本ブログで何回かバラモン左翼論を紹介したきたからじゃないかと思われます。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-83eb.html(バラモン左翼@トマ・ピケティ)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-3616d9.html(バラモン左翼と商売右翼への70年)

これはもう、『労働新聞』で月一回当番で回ってくる書評用には当選確実ですが、それだけじゃなく本気でじっくりと隅から隅まで読んでみたい本です。

というわけでそれから2年近く、出たら直ぐに読んで『労働新聞』の月一書評に取り上げるつもりでいたのですが、2021年12月刊行予定のはずが、2022年12月になっても全然出る気配がないので、ちょっと文句を言ったのですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-606ce1.html

なんだか、ピケティ本がフランス語からの直訳じゃなくて英訳からの重訳だからけしかるとはけしからんとかいう下らぬ話が燃えてるらしいけど、そんなことどうでもいいから、昨年末に出るはずだった『資本とイデオロギー』の翻訳をさっさと出してくれ。

なにしろ、昨年の8月に非売品の内容見本が送られてきて、昨年12月には刊行予定とはっきり書いてあったのに、その1年後になっても出る気配がない。

そんなにぐずぐずするんなら、フランス語から訳してもよかったんじゃないのか、と嫌みを言われるよ。

今みすず書房のサイトをちらりと見に行ったら、8月22日刊行予定と出ていました。

さすがにそば屋の出前もスタンバイしたようですね。

https://www.msz.co.jp/book/detail/09048/

判型 A5判
頁数 1072頁
定価 6,930円 (本体:6,300円)
ISBN 978-4-622-09048-9
Cコード C
発行予定日 2023年8月22日予定

しかし、バラモン左翼という言葉も一時流行したけど最近は全然聞かなくなったなあ。

Img_2

 

 

 

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コメント

>ピケティ本がフランス語からの直訳じゃなくて英訳からの重訳だからけしかるとはけしからんとかいう下らぬ話が燃えてるらしいけど

 確か2015年「21世紀の資本」で猫町倶楽部で読書会やった時、主催者が訳者の山形浩生氏が急いで訳して出版を速めてもらった、とかいう話をしてました。
 これも重訳だから可能だったのですよね。
 別に重訳でもいいじゃないですか。
 今岩波文庫のカント「純粋理性批判」読んでますが、ドイツ語の直訳だけれどもかなり誤訳があるらしいです。
 直訳であろうと重訳であろうと、要は内容を理解して訳しているか、が重要なはずですね。
 今回は山形さんは訳さないのでしょうか。
 山形さんのブログには何も出てないです。
 

いや、山形氏と森本さんという人が訳しているようです

著者
トマ・ピケティ
訳者
山形浩生
訳者
森本正史

ありがとうございます。
よく見たら訳者のお二人はhamachan先生が書評を書かれた本の訳者ですね。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/05/post-88a397.html

当然またも重訳なのですね。

フランス語の直訳でないのは、日本の経済学者でフランス語を巧みに操れる、あるいはフランス語を得意とする翻訳者に経済学、経済、ビジネスの用語に習熟している人がいないのでしょう。
フランス独自の経済学にレギュラシオン学派があって日本にも研究者はいますが、彼らには一応近代経済学のピケティ先生は「敵」なんだろうなあ(^^;


balthazar さん、日本のセクト主義丸出しの左翼諸党派じゃあるまいし、そんなことあるわけないじゃないですか(笑)、ごく普通に「作られた不平等 〔日本、中国、アメリカ、そしてヨーロッパ〕 」(ロベール・ボワイエ著、山田鋭夫監訳、藤原書店)の第2章が、「21世紀の資本」の書評となっていますよ。

 確かに、この「資本とイデオロギー」もアルチュセール、ブルデューといった論者の影響が強そうな本だから、こちらにも詳しいと思われる、レギュラシオン学派の関係者による、仏語版からの直訳の方がよかったかもしれませんね。

 そもそも、この前の本もタイトルは「21世紀の資本論」とか「資本論(21世紀版)」にすべきことは、仏語版のタイトル、Le Capital au xxie siècleを見てすぐに気が付くべきだしたし。そう、マルクス先生の「資本論」の仏語版のタイトルは、Le Capital. Critique de l'économie politique なのでした。

 今更ではあるのですが、ピケティ先生の他の著作の訳はどうなってんだろうな?と思って最近出ていたみすず書房刊の「来たれ、新たな社会主義」では山本知子、佐藤明子さんのお二人が訳されています。
 お二人ともフランス語翻訳家で、山本さんは早川書房刊のピケティ先生の「格差と再分配」も訳されてますね。

 と言う事は「21世紀の資本」を訳された山形浩生先生が「俺に訳させろ!俺のブログでコテンパンに論評するネタにしたいから、俺でないと訳せないぞ!」とみすず書房にごねて翻訳権を貰ったけど、山形先生もあれやこれや他にも色々な仕事に手を出して忙しくなってしまって、ついつい刊行が遅れてしまった・・・と言う事でしょうかね(^^;

 何しろ山形先生はご自身のブログでサイード「オリエンタリズム」などあれこれコテンパンにやっつけておられる方ですから。
 ピケティ先生をネタにコテンパンにやるくらいはやりかねん(^^;

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