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2023年4月11日 (火)

鶴光太郞『日本の会社のための人事の経済学』

B0c1459mj401_sclzzzzzzz_sx500_ 鶴光太郞『日本の会社のための人事の経済学』(日本経済新聞出版)をお送りいただきました。

ジョブ型雇用、人的資本経営、テレワークなど日本企業の人事担当者は様々な課題に取り組んでいるが、その意義や取り組み方について必ずしも十分な理解が行き渡っているとはいえない。それは、議論を行うための共通の土台であるフレームワークに大きな隔たりがあるからだ。人事の経済学は、雇用・人事システムがどのように機能しているのか、その基本的なメカニズム、その背後にある理論を知るために企業の人事担当者が理解しておくべきフレームワークだ。本書は、人事の経済学と雇用システムを解説し、雇用・人事システム変革の際にベースとして考慮すべき戦略を明らかにする実務家必読の書。

オビに「一刀両断」とあるように、拙著と同様、世にはびこるおかしなジョブ型論を批判する本であると同時に、むしろそれを踏まえて日本企業の人事実務に対して現実的な処方箋を提供しようともしている本でもあります。

序章 なぜ、いま、「人事の経済学」なのか
第1章 ジョブ型雇用とはいったい何か――氾濫する誤解を解きほぐす
第2章 日本の雇用システム――欧米システムとの本質的な違い
第3章 「ジョブ型イコール成果主義」ではない――賃金決定の経済学
第4章 企業組織の情報システム――「対面主義」の経済学
第5章 ポストコロナ・AI時代にふさわしい企業組織・人材・働き方の「見取り図」
第6章 ジョブ型雇用への移行戦略――シニアから始めよ
第7章 ポストコロナに向けたテレワーク戦略――「テレワーク」の経済学
第8章 ゼロサム・ゲームからウィンウィンの関係へ――企業と従業員関係の大変革
終章 人事の経済学の「レンズ」でみた「ミライのカタチ」

おおむね第4章までがジョブ型原論、第5章からが応用ジョブ型論という感じでしょうか。特に対面主義とテレワークの話は、コロナ禍を契機に大きくクローズアップされた話で、実は私も来月発売の『中央公論』6月号に小論を書いています。

原論部分はほぼ私と同見解の鶴さんですが、応用編にくると、いろいろと違いも出てきて、そこを読むのも面白いところです。

さて、本書の最後の「おわりに」に、聞き捨てならない記述がありました。

・・・しかし、そこを強調しすぎると別の意味の「ねじれ」を生んでしまうことを実感した。筆者がある雑誌からジョブ型雇用についての原稿依頼を受けた時のことである。編集担当者の方から、「もう一人の方に、ジョブ型の課題、メンバーシップ型のメリットの執筆をお願いする予定で、意見の違いが出る可能性があることを御了承下さい」と念を押された。さしずめ、筆者はジョブ型擁護派、もう一人はメンバーシップ型擁護派と言うことで依頼されたのだろうと解釈した。

 蓋を開けてみると、もう一人の執筆者は何と、濱口氏であった。衝撃を受けたことを覚えている。「似非ジョブ型」を斬って斬って斬りまくったあげく、メンバーシップ型擁護派に祭り上げられてしまったのか。もちろん、ご本人の意図するところではないだろうし、ジョブ型、メンバーシップ型いずれもメリット、デメリットがありどちらが優れた仕組みであるということではないというのが主張されたかった点であろう。筆者も同意見であることは本書でも強調したところだ。・・・

うーむ、鶴さんと対で雑誌に登場したことはありますが、編集者からそういう振り付けを受けた覚えはないんですが、内心そういう目で見られていたんでしょうか。逆に、今回ここを読んで衝撃でした。いや笑劇か。

まあ、ことほどさように、ジョブ型の世界は魑魅魍魎の漂う奇々怪々の世界であるようです。

ちなみに、その「おわりに」の終わり近くで、

・・・ジョブ型・メンバーシップ型雇用の議論については、長年、佐藤博樹氏、濱口桂一郎氏、海老原嗣生氏から多くのことを教えていただいた。記して感謝したい。三氏とは、新型コロナ以前にはプライベートでも談論風発の機会があったが、再会を楽しみにしたい。・・・

正確に言いますと、もう一人労務屋こと荻野勝彦さんも含めて四半期ごとに「談論風発の機会」を持っていました。そこでの話が本に発展したこともありました。

そろそろ再会を楽しみにしたい時期ですね。

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

しかし
既にいろんな会社が
日本型ジョブ型😅
を導入はじめて
成果主義の時代ふたたび
ですね。
疲弊して
生産性は下がるんだろうな。

ジョブ型がよくてメンバーシップ型が悪いわけでもない
ただメンバーシップ型が壁にぶちあたっているのは事実。
その方向性が
日本型ジョブ型😅
という世界は
さすがに筋が悪い

どこに書くべきか迷いましたが、メンバーシップ型雇用が行きつくところまで行きついたからこうなったのかな、と言う気がしましたので。

朝のNHKのニュースでも取り上げてましたが、「就活オワハラ」について政府が言及したそうです。

https://toyokeizai.net/articles/-/665580

何だかなあ。

オワハラといえば、以前こんなのを紹介したことがあります。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-eb410f.html

>京都大学のホームページに研究成果として「就職活動終われハラスメントが日本的雇用に起因することを解明 -内資・年功序列・古い設立年の企業がオワハラをしやすい-」というのが載っています。

最近では
IT企業とかベンチャーに
最終面接のあと
「私たちはあなたと働きたいという結論になりました。内定を決めるのはあなたです。ただ枠もあるので、〇日までに返事ください」
みたいな、これコンサルが広めているのか知りませんが
よく聞きます。


あとURLですが
これジョブ型なんでしょうか。
組合もなんか言えばいいのに。

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