滝原啓允『現代イギリス労働法政策の展開』
JILPTの労働政策研究報告書No.224として、滝原啓允さんの『現代イギリス労働法政策の展開』が3月31日に刊行されました。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0224.html
本研究は、現在イギリス政府によってなされている労働法政策の淵源であるTaylor ReviewとGood Work Planを中心に、その対極に立つ政策文書(Manifesto for Labour Law, Rolling out the Manifesto for Labour Law)や関連する政策文書(労働・年金委員会による報告書、労働・年金及びビジネス・エネルギー・産業委員会による報告書、Industrial Strategy)などに関しても具体的に紹介し、それらによる提案事項につき論じつつ研究者による反応も確認することとし、もって、現代イギリスにおける労働法政策の展開を明らかにすることを主な目的とする。
実は、滝原さんはこの日付でJILPTを退職され、大東文化大学法学部に移られたのです。同じイギリス労働法の専門家の古川陽二さんの後任ということです。
イギリスにおける法政策に係る議論は様々な示唆を与え得る。大きな議論の枠組みでは、雇用上の法的地位に係る問題について、日本では3分法の可能性を探る議論も存在するところ、3分法(但し、被用者は労働者に含まれる)を採るイギリスにおいて2分法の採用を主張するような議論が存在しているという点は示唆的といい得る(とはいえ、イギリスにおける3分法は、イギリス固有の事情から生じたものであり、独特の法構造となっている点には留意が必要である)。
新任地でのご活躍を祈っております。
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