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2022年12月12日 (月)

峰崎直樹さんが『世界』の拙論にコメント

617922_20221212225101 民主党政権で財務副大臣をされていた峰崎直樹さんが、『世界』1月号に載った拙論「日本の賃金が上がらないのは『美徳の不幸』ゆえか? 」についてコメントをされています。

http://hokkaido-roufukukyo.net/report/?p=2675

北海道は月刊誌の発売日が輸送の関係で送れるわけで、月刊誌『世界』新年号は12月10日であり、『文芸春秋』新年号より1日遅れであった。それぞれ目次で誰が何を書かれていたのか判っていたわけで、『世界』の特集1である「経済停滞 出口を見つける」の中に、浜口桂一郎」JILPT所長が書かれた「日本の賃金が上がらないのは『美徳の不幸』ゆえか?」を11日大急ぎで読んでみた。これまで浜口所長のブログで書かれていたことの延長ではあるが、私がかつて最初に勤務していた鉄鋼労連の宮田義二委員長の発言から、1974年春闘の大幅賃上げから始まった「経済整合性論」が打ち出されていたことの指摘を、初めて目にしたように思う。公的には福田赳夫元総理が所得政策を打ち出そうとした際に、宮田委員長は労働組合の側から賃上げを自粛していくことを述べたもののようである。おそらく、未だ原典に当たっていないが宮田委員長の「懐刀」と言われた千葉利雄調査部長(後に副委員長)が、宮田委員長に対して知恵を付けたのではないかと想像している。1974年3月31日、私は鉄鋼労連を辞めて北海道の自治労へと転職をするのだが、当時の千葉利雄さんの考えていた事を調査部員として薄々知っていたわけで、この『経済整合性論』こそが、その後の日本の賃金闘争が欧米のようなスタグフレーションを招くことなくインフレを鎮静化させることに大きな力を発揮したとみている。それが今日では「桎梏」となっているのだと思う。

これを見て、峰崎さんもかつて鉄鋼労連におられたことを再認識しました。

『文芸春秋』新年号で、日銀OBの早川英男氏が「賃上げを阻む『97年密約』」という論文を書かれているが、私は早川説ではなく浜口説での「経済整合性論」こそが今の賃上げを阻んでいるという考え方に立ちたい。願わくは、浜口説に依拠しながら「産業別最賃の引き上げ」に向けて、政労使が全力を挙げて努力していくべき絶好の時ではないだろうか。

 

 

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コメント

千葉利雄は晩年一応自己批判めいたことも述べてはおりましたが…。それにしても宮田義二と千葉利雄、この二人の罪は重いような気もします。本来であれば彼らと鉄鋼労働運動の研究、検証がもっとやられてもよいはずなのですが、そういったものはあまり見当たらないですね。

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