フォト
2024年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 『季刊労働法』279号(2022年冬号) | トップページ | 岸健二さんが千束屋の看板を見学に来られました »

2022年12月10日 (土)

重訳でも何でもいいからさっさと『資本とイデオロギー』の翻訳を出せ

なんだか、ピケティ本がフランス語からの直訳じゃなくて英訳からの重訳だからけしかるとはけしからんとかいう下らぬ話が燃えてるらしいけど、そんなことどうでもいいから、昨年末に出るはずだった『資本とイデオロギー』の翻訳をさっさと出してくれ。

なにしろ、昨年の8月に非売品の内容見本が送られてきて、昨年12月には刊行予定とはっきり書いてあったのに、その1年後になっても出る気配がない。

そんなにぐずぐずするんなら、フランス語から訳してもよかったんじゃないのか、と嫌みを言われるよ。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-e7dad0.html(トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』(非売品))

09048_1 みすず書房さんから薄い封筒が送られてきました。何じゃらほいと開けてみると、開けてびっくり、中から出てきたのは桃から生まれた桃太郎、じゃなくって、トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』!

いやいや、まさかあの分厚い本が出たわけではありません。50ページほどの小冊子の表紙の真ん中あたりには、

内容見本(非売品)

12月上旬刊行予定

の字が。

ふむふむ、1000ページを超える大著の前宣伝に、抜き刷り方式で「中身のチラ見」をやろうというわけですな。

抜き刷りされているのは、第1章が始まる前の「はじめに」だけなんですが、それだけで50ページを超える代物。目次を見ると、今回の本が格差レジームを切り口に人類史を一刀両断するものすごい本であることが分かります。

ちなみに、細目次はみすず書房のHPに載っているのでみてください。

https://www.msz.co.jp/book/detail/09048/

はじめに
第I部 歴史上の格差レジーム
第1章 三層社会――三機能的格差
第2章 ヨーロッパの身分社会――権力と財産
第3章 所有権社会の発明
第4章 所有権社会――フランスの場合
第5章 所有権社会――ヨーロッパの軌跡
第II部 奴隷社会・植民地社会
第6章 奴隷社会――極端な格差
第7章 植民地社会――多様性と支配
第8章 三層社会と植民地主義――インドの場合
第9章 三層社会と植民地主義――ユーラシアの道筋
第III部 20世紀の大転換
第10章 所有権社会の危機
第11章 社会民主主義社会――不完全な平等
第12章 共産主義社会とポスト共産主義社会
第13章 ハイパー資本主義――現代性と懐古主義のはざまで
第IV部 政治対立の次元再考
第14章 境界と財産――平等性の構築
第15章 バラモン左翼――欧米での新たな分断
第16章 社会自国主義――ポスト植民地的なアイデンティティ主義の罠
第17章 21世紀の参加型社会主義の要素
結論

最近人口に膾炙しているバラモン左翼という言葉も、この文脈で出てきたものであることが分かります。

ていうか、今までほとんど何のおつきあいもなかったみすず書房さんから今回の抜き刷りが送られてきたのは、おそらく本ブログで何回かバラモン左翼論を紹介したきたからじゃないかと思われます。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-83eb.html(バラモン左翼@トマ・ピケティ)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-3616d9.html(バラモン左翼と商売右翼への70年)

これはもう、『労働新聞』で月一回当番で回ってくる書評用には当選確実ですが、それだけじゃなく本気でじっくりと隅から隅まで読んでみたい本です。

 

« 『季刊労働法』279号(2022年冬号) | トップページ | 岸健二さんが千束屋の看板を見学に来られました »

コメント

「21世紀の資本」を課題本にした読書会「猫町倶楽部」で主催者がみすず書房から聞いた話として読書会の前に語っていました。
本来はあと2年ぐらいかかるはずだったのを訳者の山形浩生さんが急がせて2015年に出したとのことでした。
今回は逆のパターンをやらかしたのでしょうか。

「21世紀の資本」も山形さんが要約のPDFを出版後にばらまいたはずです。
これまた逆のパターンですね。
「21世紀の資本」の教訓を踏まえて急ぎのスケジュールを組んだけどスケジュール管理が上手く行かなったのでしょうか(^^;

この本の議論の広がりからいって、そう簡単に翻訳が出せるものではないというのは分かりますが、それなら妙に期待を持たせるような宣伝をすべきではなかったと思いますね。

韓国語版が2020年にすでに出ていることがAmazonで確認できます。
斎藤幸平さんも今年4月にみすず書房のツィッターを引用する形でいつ出るんですか?と疑問を投げかけてますね。

https://twitter.com/koheisaito0131/status/1515893357276385283

日本の社会科学系の出版状況は危機的な水準へと進んでいるのでしょうか。

もっとも欧米の経済学者の日本語訳はもともとあまり売れてないとは思います。「21世紀の資本」は異例のベストセラーと言われましたが購入しても読むのはその10分の1もいないだろうと猫町倶楽部の主催者氏も言っていましたし(^^;

 みすず書房のメルマガ購読していて、先ほど最新のメルマガを見ました。
 そしてリンクを辿って3月までの刊行予定を確認しましたが、「資本とイデオロギー」の予定はないですね。
 代わりと言っては何ですが、ピケティ先生と同じ経済学者で2018年ノーベル賞を授与されたウィリアム・ノードハウス先生の「グリーン経済学」が刊行予定になっています。

 つまりノードハウス先生の方が最近はやりのSDG'sとも親和性があるし売れると踏んだのでしょうね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『季刊労働法』279号(2022年冬号) | トップページ | 岸健二さんが千束屋の看板を見学に来られました »