『季刊労働法』279号(2022年冬号)
労働開発研究会のサイトに『季刊労働法』279号(2022年冬号)の案内がアップされたようなので、こちらでもご紹介。
https://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/10385/
特集:解雇の金銭解決をめぐる議論と各国の動向●2022年4月、「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」報告書が公表されました。これを契機に、今号では解雇の金銭解決に関する特集を掲載します。同報告書の評価、課題を論じ、それに続いて、この10年程度の間で解雇法制改革のあった国(フランス、イタリア、スペイン、韓国)において、改革後の影響がどのようなものであったか、直近の動向を注視します。
解雇無効時の金銭救済制度に関する検討会報告書の意義と今後の課題 日本大学法科大学院非常勤講師 小宮 文人
フランスにおける解雇の救済―近年の動向を踏まえて― 宮崎産業経営大学専任講師 古賀 修平
揺れるイタリアの解雇法制―憲法裁判所は何を問題としたのか 神戸大学大学院教授 大内 伸哉
スペインの2012年解雇規制改革とその後の動向 東海大学講師 高橋 奈々
韓国における解雇法制改革と最近の動向について―金銭的解決制度を中心に― 韓国外国語大学/ロー・スクール教授 李?
いま解雇の金銭解決といえば、先日日本労働法学界の奨励賞を受けた山本陽大さんのドイツ法研究が一番手になりますが、今回の特集はそれ以外のフランス、イタリア、スペイン、韓国といった諸国を取り上げていますね・
■論説■
建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決等を踏まえた安衛省令改正の課題 東洋大学准教授 北岡 大介
交渉ルールをめぐる協議と団交法理―オンライン交渉紛争にそなえた覚書― 神戸大学大学院教授 大内 伸哉
アメリカにおける団体交渉法制の困難と労働協約締結への課題―米Amazon 社における労働組合の組織化から 帝京大学助教 藤木 貴史
諸外国におけるハラスメントへの法的アプローチ―セクシュアル・ハラスメント、「差別的ハラスメント」と「いじめ・精神的ハラスメント」の横断的検討―(二・完) 山形大学講師 日原 雪恵
■書評■
早津 裕貴 著『公務員の法的地位に関する日独比較法研究』評者 早稲田大学教授 島田 陽一 早稲田大学教授 田村 達久 大阪公立大学教授 渡邊 賢
■要件事実で読む労働判例―主張立証のポイント 第2回■
不更新条項等が定められた有期労働契約の雇止めに関する要件事実―日本通運事件・東京地判令和2・10・1労判1236号16頁を素材に 常葉大学講師 植田 達
■労働法の立法学 第66回■
(公立学校)教師の労働法政策 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口 桂一郎
■イギリス労働法研究会 第42回■
イギリスにおける「ゼロ時間契約(zero-hours contract)」の停止期間中の権利義務と契約解釈 ―賃金からの控除を受けない権利の適用をめぐって 九州大学准教授 新屋敷 恵美子
■アジアの労働法と労働問題 第50回■
インドにおける企業別組合の系譜(1) 神戸大学名誉教授 香川 孝三
■判例研究■
トランス女性の性自認に基づくトイレ使用に対する制限等の違法性 国・人事院(経産省職員)事件・東京高判令和3年5月27日労判1254号5頁 山口大学准教授 井川 志郎
使用者の差別的文書配布の職場環境配慮義務違反該当性と文書配布行為差止めの可否 フジ住宅事件・大阪高判令和3年11月18日労旬2002号36頁 法政大学兼任講師 浅野 毅彦
資格外就労を契機として離職を余儀なくされた技能実習生による損害賠償請求が認容された例 千鳥ほか事件・広島高判令和3年3月26日労判1248号5頁、原審・広島地判令和2年9月23日労判1248号16頁 東京農業大学非常勤講師 山田 哲
就労継続支援施設(A型)における整理解雇が無効とされた例 ネオユニットほか事件・最三小決令和3年11月9日判例集未登載、控訴審 札幌高判令和3年4月28日労判1254号28頁、一審 札幌地判令和元年10月3日同43頁 東京経済大学准教授 常森 裕介
■重要労働判例解説■
地方公務員の懲戒処分に関する手続と退職手当不支給 堺市(懲戒免職) 事件( 大阪地判令和3・3・29労判1247号33頁)EX/DB25569661) 全国市長会 戸谷 雅治
わたくしの「労働法の立法学」は、今回は「(公立学校)教師の労働法政策」です。給特法の話が中心ですが、ややひねった議論を展開しています。
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