稲葉一将・稲葉多喜生・児美川孝一郎『保育・教育のDXが子育て、学校、地方自治を変える』
稲葉一将・稲葉多喜生・児美川孝一郎『保育・教育のDXが子育て、学校、地方自治を変える』(自治体研究社)を、著者の一人の児美川さんからお送りいただきました。
デジタル改革が「こども」にも及び始めている。本書では、1こども家庭庁の設置を前に、複数の行政組織や自治体の部局を超えて「こどものデータ」が連携・集積される構図とその意味すること、2保護者と保育園をつなぐ保育支援システムによってこどものビッグデータがテック企業に集積される仕組みとその意味すること、3GIGAスクール構想の先ですすむ「教育DX」政策が公教
育にもたらすものを整理する。
1 子どものデータ連携と行政組織における調整の強化
ーこども家庭庁新設の地方自治への影響ー ……………………… 稲葉一将
国家によって形成される「デジタル社会」の特徴/子どもと行政に及ぶ「デジタル化」/ 転形期の子ど
もと行政
2 保育業務のSaaS 化とテック企業のデータ寡占
ー保育と一体で行われる子どもデータの収集ー ……………… 稲葉多喜生
SaaS で行われる保育データ収集の意味すること/企業任せとなっている個人情報収集/便利さの背後で
進む、テック企業のデータ寡占化/子どものデータ連携で変わる保育
3 教育DX が学びと学校を変える ……………………… 児美川孝一郎
「Society 5. 0 型教育改革」の構想ーEdTech を通じた教育DX の実現へ/ GIGA スクール構想とコロナ
禍の教育政策/ 教育DX は学びと学校をどう変えるか
児美川さんの部分は、最近の教育政策をめぐる経済産業省と文部科学省のせめぎ合い(といっても前者が圧倒的に優勢ですが)を見事に描き出しています。
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