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2022年11月 1日 (火)

全労連の解雇規制法案に金銭解決が

労働法政策の経緯を調べようとして昔の雑誌をほじくり返していると、調べようとしていたこととは別の興味深い資料にぶち当たったりすることがよくあります。電子化されてしまうと、こういう空間的近接による異物発見効果がなくなってしまうのではないかと残念です。

それはともかく、ある調べ物をしていたら、『賃金と社会保障』の1996年3月上旬号(1173号)に、全労連等の解雇規制立法案というのが載っているのを発見しました。

もちろん、解雇を厳格に規制しようとする法律案です。能力・適性を理由とする解雇、憲法や勞働法に違反する解雇、営業上の理由による解雇等々に、挙証責任の転換とか退職強要の禁止とか、実にいろいろと揃っているのですが、そのうち「(8)解雇の効力」というところの規定ぶりが大変興味深いのです。

(8) 解雇の効力

1項 (1)ないし(6)に違反する解雇は無効である。

2項 使用者が(7)の証明(=挙証責任の転換)ができなかった場合、労働者は使用者に対し、次のいずれかを選択して請求することができる。

イ 労働契約の継続および解雇期間中の未払賃金の支払、慰謝料その他の損害賠償

ロ 労働契約の解約および紛争解決に至るまでの期間中の賃金相当額・退職金の支払、慰謝料その他の損害賠償

これって、雇用継続と金銭解決の労働者側のみの選択制であって、少なくとも四半世紀前にはそれを要求していたということですね。

 

 

 

 

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コメント

現在提起されている解雇の金銭解決制度についての試案も労働者側が選択できるというもので、それが使用者側も選択できるよう拡張されることへの警戒感が労働側にあることが反対の背景にあるはずですが、しかしかつては全労連もその選択肢を容認していたというのは意外でした。

 私は以前全労連系の国家公務員組合にいましたが、いつも要求高過ぎね?と思っておりました(^^;
 この法案もどこまで実現性があると思っていたのでしょうか。
 確かに高めの要求を出しておけば後で妥協するときに取れるものは取りやすいですが。
 しかし、支持政党(建前は支持してないらしいですが(^^; )があの政党ではねえ(溜息)

似たような話を以前にもどこかで聞いたような、と思っていたら、日本労働弁護団もしかり、だったんですね。

日本労働弁護団「解雇等労働契約終了に関する立法提言」@2002年
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/2002-cec5.html

なるほど、日本労働弁護団も全労連と同じような事を言ってますね。
とするとこの後全労連など労働者側が金銭解決の選択制を言わなくなったのはどうしてなのでしょうか。
労働組合運動が衰えたのでせめて言葉だけでも強硬にしておいた方が良い、と言う事で金銭解決案を言わなくなったのでしょうか。

同じくリフレ派の先生が金銭解雇について

https://nikkan-spa.jp/1931585

日本には、苦境に陥ったときに雇用保険から企業に支給される雇用調整助成金があります。しかし、この制度は申請時の書類と記載項目が多すぎるため、企業が利用をためらうことと、助成金が支給されるまでに時間がかかりすぎるという問題があります。コロナ禍では助成金が迅速に支給されないため、企業は従業員を解雇せざるをえない状況に追い込まれました。

 しかし、一時帰休でも雇用保険が給付されるようにすると、企業は安心して解雇するようになり、雇用保険財政が破綻するリスクがあります。そこで、米国では、失業保険税を企業だけが負担しますが、その税率は解雇率が高い企業ほど高くなるように設計されています。税負担を変動させることで、会社が解雇を乱発することを防いでいるのです。

台湾では勤続20年のモデルワーカーの場合、解雇手当は給与の6か月分です。米国では20年勤続の従業員の解雇手当は平均して8か月分にもなります。このような多額の解雇手当を支給しなければならないことも、会社都合の解雇を抑制します。

 したがって、日本は解雇手当のルールを法制化し、国が会社都合で解雇するときのデフォルトの解雇手当水準を設定することが妥当です。経営が破綻するときには、企業は解雇手当を支払えなくなる可能性があるため、解雇手当の原資を社外の独立ファンドに積み立てることを義務づける必要もあります。

 以上のように、雇用保険制度と解雇手当の改善を講ずれば、雇い止め・派遣切りは抑制されます。しかし、パンデミックが起きると、少なからずの企業が雇い止めせざるを得なくなります。その場合でも、一時帰休者にも雇用保険が給付され、現在よりもかなり多額の解雇手当を受けることができるのならば、雇い止めされた労働者の生活を守ることができます。

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