首藤若菜『雇用か賃金か 日本の選択』
首藤若菜さんより『雇用か賃金か 日本の選択』(筑摩選書)をお送りいただきました。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017550/
クビか、賃下げか。生産が縮小する時、労使は究極の選択を迫られる。今も日本はクビにしにくい国なのか? 国際比較と国内調査から、雇用調整の内実に迫る。
第1章と第2章は、コロナ禍で苦境に立たされた航空業界について、日本の全日空と欧米の各社での対応の違いを細かく調査分析して示しています。また第4章は長期衰退作業である百貨店の対応の姿を描いています。
前者は、ともすれば制度的な枠組みだけの議論に終わりがちな私たちにとって大変示唆的ですし、後者はともすればステレオタイプな議論で割り切りがちなものの細部にどんな意外な神が宿っているかを教えてくれます。
たとえば、第4章の百貨店の事例では、「日本の長期雇用は本籍主義である」と定式化したうえで、
・・・なお、かつて正社員のみに適用されてきたこうした長期雇用は、百貨店のケースを見る限り、今日では非正社員も対象となっている。・・・・無期雇用に転換し、組合に加入した非正社員は、たとえ勤務先が閉鎖しても、本人が希望する限り、勤務地や勤務先を変更させながら、雇われ続けている。雇用契約には勤務先が限定されていても、契約を更新させながら、メンバーシップに包摂されている。・・・・
と興味深い指摘をしています。
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