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« 国家基本問題研究所で講演 | トップページ | 『労働法律旬報』No.2015 »

2022年9月 9日 (金)

古川景一・川口美貴『新版 労働協約と地域的拡張適用 ― 理論と実践の架橋』

Large_362e959c65fe446d9024e108e1831611 古川景一・川口美貴『新版 労働協約と地域的拡張適用 ― 理論と実践の架橋』(信山社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.shinzansha.co.jp/book/b10018362.html

当該地域的拡張適用の実践を通じて析出された新たな課題を検討し、旧版の理論を修正・補充し、「実践から理論への再々架橋」を行うべく、旧版を全面的に改訂。本書が労使双方に活用され、企業横断的な集団的労使関係法に「もっと光を!」の実現と、社会全体における労働者の労働権保障の引き上げと安定化に寄与すべく企図。

旧版は2011年に出され、その時に私は「これはすごい本です。お二人の「再構築」論文シリーズの一環として緻密な議論を展開しているところも膨大ですが、そういう労働法学界の枠を超えて、労使関係に関心を持つすべての人が読むべき労使関係論のモノグラフでもあります」と褒め称えておりましたが、今回はいうまでもなく、UAゼンセンの大型家電量販店での実践を踏まえて大幅に増補されています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-20a9.html

二人の著者によるはしがきと松浦UAゼンセン会長による巻頭の辞が、目次とともにこちらで読めますが、

https://binb.bricks.pub/contents/7dada330-01e6-4605-98aa-749b69a6c4f7_1662027835/speed_reader

企業別組合に占められている日本においても、それを産業レベルの労働条件規制に引き上げていこうという労働組合本来の試みはこのように行われているのです。

・・・・これまでも産業別組織として組合員の労働条件を横断的に高めるための努力を重ねてきました。しかしながら、企業別組合の活動が主体となっている日本では、企業間を横断する労働協約を締結することは難易度の高い課題です。また、企業別の労使関係だけでは、一つの企業別労使が労働条件を大幅に改善しても、その労働協約に普遍的効力を期待することはできず、労務コストの上昇などが企業間競争に影響を及ぼし、せっかく積み上げた労働条件の改善を取り崩さざるを得ない局面となってしまいます。

この問題の発生を防ぐためには、企業横断的な労働協約で、労働者相互間及び事業者相互間での公正競争を実現させ、労働条件を企業間競争の道具とさせない方策が必要です。その具体化が労働組合法第18条「労働協約の地域的拡張適用」の取り組みです。・・・・

まったくそのとおりなんですが、とはいえ、それがかろうじてできるのはUAゼンセンくらいで、それも数年に一回程度。そこで、私は最近、もっと普通の組合でも取り組める可能性のあるものとして、最低賃金法に規定されている特定最賃(産別最賃)を使ってみたら?といっているのです。

もともと産別最賃は、企業別組合主体で産業レベルの労働条件設定ができない日本の組合に何とか手助けをしてあげようといういわば産別協約もどきなわけですが。本書を読んで「いやぁ、UAゼンセンはすごいなあ、でもうちの組合にはとてもとても」というところこそ、真剣に考えてほしいと思います。

 

 

 

 

 

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コメント

県最賃がすごい勢いで上がったので、産別最賃の改定審議の必要性は揉めるでしょう。今年は県最賃より30円高い産別最賃であっても抜かれましたし、相当差がないと呑まれていくでしょうね。

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