神谷悠一『差別は思いやりでは解決しない』
神谷悠一さんの『差別は思いやりでは解決しない』(集英社新書)をお送りいただきました。
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721226-6
思いやりを大事にする「良識的」な人が、差別をなくすことに後ろ向きである理由とは――。
「ジェンダー平等」がSDGsの目標に掲げられる現在、大学では関連の授業に人気が集中し企業では研修が盛んに行われているテーマであるにもかかわらず、いまだ差別については「思いやりが大事」という心の問題として捉えられることが多い。なぜ差別は「思いやり」の問題に回収され、その先の議論に進めないのか?
女性差別と性的少数者差別をめぐる現状に目を向け、その構造を理解し、制度について考察。
「思いやり」から脱して社会を変えていくために、いま必要な一冊。
「あなたの人権意識、大丈夫?
“優しい”人こそ知っておきたい、差別に加担してしまわないために――。
価値観アップデートのための法制度入門!」――三浦まり氏(上智大学教授)、推薦!
日本の学校で行われる「道徳教育」の弊害が一番よく現れているのが、この何でもかんでも「思いやり」で解決できるというねじれた「人権」思想なんでしょうね。
冒頭、ジェンダーについて講義したら、学生たちから「ジェンダーについてもっと気をつけたいと思います」「もっと多くの人が思いやりを持つようになったらいいなと思いました」といった、小学校以来必ずこう書きなさいと叩き込まれてきた「正しい」感想文が押し寄せて、著者を悲しませるわけです。
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