Web3の教本、ジョブ型の教本・・・
文春オンラインに「「21世紀最大の発明は間違いなく株式会社」炎上→販売終了→回収…インプレス『Web3の教本』が「トンデモ本」扱いされた2つの理由」という記事が載っていて、私は全然詳しくない分野なんですが、なにやらてんでわかってない人がいい加減なインチキばかりを書き散らした本が炎上騒ぎを起こしたんだそうです。
https://bunshun.jp/articles/-/56562
・・・話を戻そう。なぜ『いちばんやさしいWeb3の教本』が情報商材レベル、いや、それ以下なのか、理由は内容にある。
新しい概念やモノを説明するにあたって、旧来のそれを否定的に論じるのはよくあることだが、本書に関しては、著者がまるでWeb2に、特にGAFAにいじめられでもしたのかというくらいにGAFAを叩きまくっている。
それが、とことんズレまくっているというか、そもそも間違った知識を振りかざしながら叩いているので、始末に負えない。
この本のどこがどうとことんずれまくっているのかはこの分野に疎い私にはよくわかりませんが(著者のレベルが良くわかったのは、「資本主義における21世紀最大の発明は間違いなく株式会社 」という世紀の大発見ですが・・・)、でもこういうたぐいのインチキ本は私の分野でもわんさか出てきてますね。
そういうインチキ本の特徴は、ここでこういわれている通りですが、
・・・本来であれば、ここまで程度の低い書籍を発行することなどあり得ないのだが「Web3」というバズワードに惑わされてしまったのだろうか。この一冊で、同社の他の書籍の評判まで落としてしまうことを考えると非常に残念である。
バズワードに惑わされた書籍は、なにもWeb3に限った話ではない。考えてみれば、自分が関わっているデジタルマーケティングの世界は、出版されている書籍の大半がバズワードを煽るものでしかない。大抵が、そのバズワードで商売をしている似非マーケターが、中途半端な知識で読者を煽るものであり、自分自身を紹介する、ちょっとかさばる名刺のような存在でしかない。
自分の意見を述べるのは大いに結構なのだが、少なくとも最低限の知識を持った上で、事実をねじ曲げることなく書いていただきたい。バズワードに乗って我欲を満たすために、間違った知識、情報を書籍としてまき散らすことはあってはならないのだ。
いやまあ、まさしくここ2年あまり、「ジョブ型」というバズワードに惑わされた、中途半端な知識で読者を煽り、間違った知識、情報をまき散らすような本が山のように出ていますからね。そして、そういう本が炎上することもなく平然とまかり通り、結構売れているというのは、雇用関係の業界はIT関係の業界よりも自浄作用に乏しいということなのかもしれませんね。本屋の人事労務の棚に並んでいるジョブ型本を見ていくと、ジョブ型が21世紀の大発明にされてしまいかねない状況ですから。いやいやジョブ型は古臭いんだよ、というところから説き起こさなきゃいけない私はなんなんだろう。
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