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« 『日本労働研究雑誌』2022年9月号 | トップページ | 大山鳴動して…「同一労働同一賃金」が進まない事情と、ある勘違い@朝日新聞 »

2022年8月29日 (月)

HRテクノロジーと「腐ったミカン」の落差

As20220828001091 朝日のこの記事でちょっと興味を惹かれたのは、

https://www.asahi.com/articles/ASQ8X4H4LQ8XPTIL003.html(講師の「腐ったミカン」発言、追手門学院の意向 元職員に労災認定)

 学校法人追手門学院(大阪府)が2016年に開いた職員研修で、外部講師が「腐ったミカンは置いておけない」などと発言した問題で、受講していた元職員の男性がうつ病になったのは繰り返し退職を強要されたことが原因だとして、茨木労働基準監督署に労災認定された。労基署は「退職勧奨とも人格否定ともいえる発言」であり、委託した学院の意向に沿ったものだと認めた。
 労災認定は3月25日付。労基署が認定内容をまとめた文書によると、男性は学院幹部との面談で退職勧奨を受け、16年8月22~26日の職員研修に参加するよう指示された。研修では、東京のコンサルタント会社「ブレインアカデミー」の外部講師から連日、17年3月末での退職を受け入れるよう求められた。
 退職する意思はなく、専任職員としての雇用継続を希望したが、外部講師から「現状維持はあり得ない」と否定され、「あなたのように腐ったミカンを置いておくわけにはいかない」とも言われた。研修後には学院幹部から「退職した上での職種変更しかない」と何度も迫られ、17年2月にうつ病と診断された。 

学校側と労働者側の関係はよくある退職勧奨事案ですが、興味を惹かれたのはそこに登場するコンサルタント会社です。

というのも、この会社のサイトを見ると、

https://www.brainacademy.co.jp/

いまの子どもたちは
IoTやビッグデータ、AI、ロボットといった
新たなテクノロジーが身近にある社会を生きていきます。
そんな子どもたちが
テクノロジーと共に新たな時代をつくりあげていくためには
学校での教育活動が必要不可欠です。
日々様々な業務を抱える教職員が
子どもたちと向き合う時間をもっと増やせるように。
「学校に、テクノロジーを。」
私たちは、学校に特化したHR techで
魅力ある私学を一緒につくりあげていきます。 

今流行りのHRテクノロジーを売りものにしている会社なんですね。

HRテクノロジーについては、世界的にものすごくいろいろな議論が巻き起こっていて、見えないところで知らないうちに情報を吸い取られ、誰にも説明されない仕組みで勝手に評価され、人事が決められてしまうという危機感の一方で、いやいや生身の人間の方がよっぽど偏見に満ちていて、訳の分からない理由でおかしな人事をされ、ハラスメントに曝されるじゃないか、機械の方がよっぽどましだという考え方もあるわけです。

そこの論点については、ここでは踏み込みません。

でも、そういうHRテクノロジーの粋を尽くしているはずの会社にしては、金八先生じゃあるまいし「腐ったミカン」てのは、あまりにも生臭くも人間くさくて、いやいや「学校にテクノロジーを」じゃなかったのかと。

そういう下手に尻尾をとられるようなことにならないためのHRテクノロジーなんじゃなかったのか、と、まあこれは独り言ですが。

 

 

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