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2022年7月11日 (月)

労働組合は8勝1敗

昨日の参議院選挙結果については、マクロな話は政治学者と政治評論家と政治部記者にお任せするとして、ここでは連合が股裂きになりながら推薦していた比例区の労働組合組織内候補の勝敗だけ見ておきます。

参院比例区は組織内候補者の名前を書かせる各労働組合の力量が試される選挙であるとともに、政党自体への風の吹き工合にも大きく左右されるので、必ずしも各産別の力量それ自体ではない面もありますが、その順位はやはり意味を持つでしょう。

竹詰仁(国民、電力総連)238,956 当選 

浜口誠(国民、自動車総連)234,744 当選 

川合孝典(国民、UAゼンセン)211,783 当選 

鬼木誠(立憲、自治労)171,619 当選 

矢田稚子(国民、電機連合)159,929 落選

古賀千景(立憲、日教組)144,344 当選 

柴慎一 (立憲、JP労組)127,382 当選

村田享子(立憲、基幹労連)125,340 当選

石橋通宏(立憲、情報労連)111,703 当選

というわけで、ただ一人落選の憂き目を見た矢田さんは、自分の名前はそれなりに書かせられたけれども、政党効果で落ちてしまったことになります。電機は3年前に引き続き落選で、組織内議員がいなくなってしまいました。

逆に、前回国民から出して落選したJAMは、今回は立憲から出た基幹労連に乗って雪辱を果たしたことになります。

いずれにしても、国民は3人当選の全員組合だし、立憲も7人当選中5人が組合なので、辻元さんのようなぶっちぎりの人気者でない限り、事実上組合頼みであることは確かなようです。そのくせ・・・・(以下略)

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コメント

某県では候補者の一本化ができず立憲・国民双方から出馬して票が割れた、と記事になっていましたが、得票数を見ると両者合わせても当選者に届かずなので、なんだ「候補者が割れたのが敗因の記事を書け」って言われて書いたんだろうな記者さんも一サラリーマンで大変だね、とほっこりしました。

> そのくせ・・・・(以下略)

「マスコミや大学」の中のニッチだけど、相互に繋がりがあり、それゆえ、
ちょっと目立つ人達、みたいな人の話ばっかり聞いている印象。
「研究・教育・言論・メディアにかかわるすべての人へ」ねえ。

ここで注目されるべきは当落よりも産別の組織人員と得票数ですよね。かつての組織動員型選挙では組合員本人のみならずその家族も働きかける対象でした。そうなると得票数が組織人員を上回っているという点で今やまともに組織選挙をやれているのは電力総連のみとされるべきではないかと考えられます。かつては電力総連とJR総連のみが産別組織人員数よりも多くの得票が可能だったといわれていましたが、JR総連が崩壊した今、電力総連のみが唯一強固な組織統制力を有しているとみることができるかもしれません。

>ただ一人落選の憂き目を見た矢田さんは、自分の名前はそれなりに書かせられたけれども、政党効果で落ちてしまったことになります。

連合の候補者については
 ・落選した国民民主党の候補者も立憲民主党から立候補していれば当選していた
 ・当選した立憲民主党の候補者も国民民主党から立候補していれば全員落選していた
という点は3年前の選挙と同じです。ただし立憲民主党も7人しか当選できず最下位当選者は情報労連の石橋氏なので、矢田氏が立憲民主党から立候補していれば石橋氏が押し出されて落選して8勝1敗という事は変わらないと思います。

>国民は3人当選の全員組合だし、立憲も7人当選中5人が組合なので、辻元さんのようなぶっちぎりの人気者でない限り、事実上組合頼みであることは確かなようです。

国民民主党の4人の組合候補の得票合計は国民民主党の比例区の得票の27%ですが、立憲民主党の5人の組合候補の得票合計は立憲民主党の比例区の得票の10%です。
また国民民主党の落選した矢田氏の得票16万票に対してその次の順位の(非組合)候補の得票は約2万票なので、組合候補と非組合候補の得票にかなり差があります。これに対して立憲民主党では最小得票の組合候補の得票11万票に対してその次の順位の(非組合)候補の得票は約8万票なので、組合候補と非組合候補の得票にそれほど差がありません。
このため国民民主党は”事実上組合頼み”と言えるかもしれませんが、立憲民主党は”事実上組合頼み”とは言えないと思います。

なお、比例区の得票に対する政党名の得票(浮動票?)の割合は、国民民主党は71%でこれは公明党の66%の次に低いです(組織政党?) 自民党は75%で立憲民主党は77%なので立憲民主党は標準的な値であり、その意味でも”事実上組合頼み”とは言えないと思います。ちなみに維新の会、共産党、れいわ新選組は政党名の得票が90%なので浮動票主体(風頼み?)かもしれません

組合とは無関係ですが、大分選挙区では自民党の新人が22万8千票で当選し、国民民主党の現職は18万3千票で落選しました。共産党の候補が3万6千票だったので、この候補の票が国民民主党の候補に入ればかなり接戦だったと思います。6年前は現職は野党統一候補だったので自民党の候補を破って当選できたのだと思います。
国民民主党は、”共産党とは共闘しない” と主張していたので、共産党に対立候補を立てられ、このような事態になる事も覚悟の上だったのでしょうか?
  渇しても盗泉の水を飲まず?

希流殿

>得票数が組織人員を上回っているという点で今やまともに組織選挙をやれているのは電力総連のみとされるべきではないかと考えられます。

国民民主党が原子力発電所の稼働を容認する(稼働停止に反対する)のは、この事も理由の1つでしょうか?

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