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2022年7月26日 (火)

エグゼンプトは採用から退職までずっとエグゼンプト

これも、本ブログの読者にとっては「またか」という話ですが、過去数日間本ブログで取り上げてきた管理職という職種の問題、専門職という職種の問題等々をひとまとめにした労働法上のトピックが、過去20年以上にわたってねじれにねじれた形で議論され続けてきた、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプションになります。

ホワイトカラーのうち、クラークと言われるようないわゆる事務職は、残業代や休日出勤手当の対象になるけれども、管理職、専門職、運営職といういわば上層ホワイトカラーは、残業代や休日出勤手当が出ない、という風に説明すれば、それ自体は間違いではないのですが、そもそもそういう職種があまり、あるいはほとんど、あるいは全然確立していない日本のメンバーシップ型社会で、このジョブ型の職種に基づく身分社会の概念をうかつに振り回すと、いかに訳の分からない話になって混迷していくかは、皆さまよくご存じの通りです。

管理職も専門職も事務職もみんな同じで、人事異動で軽々とその微細な境界線を越えていく日本人にとっては、ホワイトカラーエグゼンプションというのは、いままで事務職としてたっぷり残業代を稼げていたのに、会社の人事発令一枚で、いきなり「お前は今日から管理職だ」「お前は今日から専門職だ」「今日からお前は運営職だ」と言われて残業代を召し上げられる事態でしかなくなるのは見やすいことです。

ジョブ型社会とはそういうものではないのです。職種に基づく身分社会だと思った方がいい。もちろん、ノンエグゼンプトの事務労働者が、一念発起してどこかの学校に通い、ディプロマを獲得して、それを以て同じ会社のエグゼンプトのポストに応募して採用されれば、客観的に見ればそれは社内でノンエグゼンプトからエグゼンプトに移ったことになりますが、それこそ言葉の最も正確な意味における「転職」というべきでしょう。そして、自分でわざわざ高給のエグゼンプトのポストに移った人が「残業代ゼロケシカラン」と叫ぶこともあり得ません。

エグゼンプトは採用時から退職時まで一貫してずっとエグゼンプトだし、ノンエグゼンプトは(自分で「転職」しない限り)採用時から退職時まで一貫してずっとノンエグゼンプトである、というこの基本のキが完全に欠落している日本社会で、ホワイトカラーエグゼンプションなるジョブ型概念を振り回すと、どういうワケワカメが現出するかというのは、私もさんざん書いてきましたし、本ブログの過去ログにも山のように書かれていますね。

 

 

 

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コメント

うーん、「エグゼンプトに人事異動はありませんよ」ぐらいの言い方の方が えっ 感が出ると思います。

エグゼンプトではないのですが、ジョブ型とはこれこれこういった経緯でできて欧米に定着したものだから、日本では難しいんじゃないかなあと某企業の総務課勤務の人に話したら、日本流のジョブ型はありなんじゃないの、って返事が返ってきましたよ。(ため息)
確かに何でもアレンジしますからね。でも、なら、欧米ではこうだ、とは言わず、ぼくがかんがえたさいきょうのこようしすてむだぜ、と胸を張って欲しいやね。

考えてみたら、この2年半、私が一生懸命叩いてきたのは、結局労働の歴史を全く知らないインチキコンサルらによるこの世界のどこにも存在しない「ぼくのかんがえたさいきょうのじょぶがた」だったのかも知れません。

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