ジョブ型が/メンバーシップ型が本質的にいいとか悪いとか言ってないんだけど
https://twitter.com/ssig33/status/1531950092076388353
濱口桂一郎先生は「日本企業の雇用システムはダメ」みたいな論(若者と労働)から、最近は「何が良いとか知らんわ、お前らで勝手に考えろよ」みたいな感じになってきていて、変化のきっかけとかは教えてほしい(公刊されてるものからは読み取れなかった)
あちこちでそういう問いかけをやたらにされるんですが、そもそもそういう議論はしていないのに、勝手にそういう風に読み込まれてしまっているようですね。
そういう誤解を解くために、最近の講演録から一部引用しておくと、
https://www.hokukei.or.jp/app/website/wp-content/uploads/kouenkai2206.pdf
誤解しないでいただきたいのですが、ジョブ型とメンバーシップ型のどちらが正しいとか間違っているとか、ということを言っているのではありません。そんな議論をすること自体、あまり意味のないことなのです。この種の議論は、「その時に勢いのある国、勢いのある社会、勢いのある会社が採用している制度が良い」と言っているだけの話です。所詮、その程度のことなのです。そもそも、これからのAIの時代には、ジョブ型・メンバーシップ型の仕組みそのものが崩れていくかもしれないのです。
私は、日本型雇用システムというものが、まさに「若者」「中高年」「女性」といった観点において大きな課題や矛盾をはらんでいる、という話をしています。メンバーシップ型が社会学的にみて問題をはらんでいるという点でもはや持続可能ではない、と思っていますが、「メンバーシップ型が社会学的にみて持続可能ではない!」ということと「ジョブ型のほうがメンバーシップ型よりも生産性が高い!」という話は、何の関係もないのです。
ジョブ型は古臭くて硬直的で、メンバーシップ型の方が柔軟であることには何の変りもないけれど、その柔軟性こそが社会学的な諸問題を生み出している元凶だから、もっとジョブ型の要素を取り入れて硬直的にしようよ、と言っているところをつかまえて、濱口はジョブ型派だといえばそれはその限りではその通り。
でもそれはインチキジョブ型派の、ジョブ型こそが柔軟で未来の働き方だという嘘八百の三百代言とは全然違うんだけど、なぜか多くの人々の脳内では両者がごちゃ混ぜにされるみたいです。
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ちょっとツイートだとニュアンス伝わってない感じしますね、気になってるのは「ジョブ型正社員による漸進戦略」が放棄されてるように見えるな、という点にあります。
ギグワーク/タスクの時代とかいう最悪のやつがきてジョブもメンバーシップもねえやとか、2018年からの無期雇用転換のジョブ型正社員の実態がアレだったとか、若者雇用問題みたいのがそもそも往時ほど問題にならなくなってきてるとかあるのかな?と思っているのですが、どうなんでしょうか。
投稿: ssig33 | 2022年6月 2日 (木) 19時29分
まあ、若者、中高年、女子の三部作を書いたのはもう9~7年前なので、関心のありかがその間少しずつシフトしてきたってのはあります。
若者問題ってのは実は年長フリーター問題だったわけですが、いまなおコア層は残っているとはいえ、大部分は中小零細企業の三種の神器の薄い正社員に吸収されたので、社会的に問題関心が薄れたのでしょう。
投稿: hamachan | 2022年6月 2日 (木) 19時53分
いわゆるロスジェネ世代が中小無期雇用になっていったのはそうなんでしょうが、現在の若年非正規層も同じように無期化してくのかってどうなんですかね。先生の興味分野はそれはそれとして、社会全体としては「喉元過ぎれば」みたいな感じで問題解決しないまま忘れてしまったんじゃないかという気がしてなりません。
投稿: ssig33 | 2022年6月 3日 (金) 10時52分