実は緩い? 正社員の解雇法制 新卒一括で「自縄自縛」@日経新聞
本日の日経新聞に、礒哲司記者による「実は緩い? 正社員の解雇法制 新卒一括で「自縄自縛」」という記事が載っていますが、日経新聞にもかかわらず(失礼)極めて見通しのよくバランスの取れたいい記事になっています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC012UJ0R00C22A5000000/
日本は解雇法制が世界一厳しく、経営の構造改革を進めにくい――。日本経済の停滞を嘆くこの通説が覆りつつある。経済協力開発機構(OECD)の2019年調査によると、日本は37カ国の平均よりも正社員を解雇しやすい国だ。労働経済学者の研究では不当解雇の解決金も国際的にみて高くない。解雇をめぐる議論は、なぜ混線してしまったのか。・・・・
ちなみに、途中でわたくしもちらりと登場しています。
・・・戦後の大企業では、どんな職務に就くのか、どこで働くのかといった社員の働き方の根幹まで会社が一方的に決めてきた。中途採用の転職市場は十分でなく、社員の多くは意に沿わない配属や移動、転勤があっても定年まで勤め上げた。労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎・研究所長は会社が「強大な権限を持った」と指摘する。
解雇は社員の生活を脅かすとみなされ、「裁判所は配置転換や再教育を重視し、解雇を認めない判断を重ねた」(濱口氏)。解雇権乱用法理はメンバーシップ型の大企業にとって「自縄自縛の面がある」(同)といえる。
「解雇権乱用法理」は、打ち間違いではなく、いくら「濫用」だと言っても新聞の用字法はこうです、といって治らないのです。
なお、続く記事ではJILPTの山本陽大研究員もドイツの解雇金銭解決制度についての解説で顔を出しています。
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