ジョブ型雇用の誤解とメンバーシップ型雇用の矛盾@『北陸経済研究』6月号
『北陸経済研究』6月号に、私の講演録「ジョブ型雇用の誤解とメンバーシップ型雇用の矛盾」が載っています。これは、去る2月18日に北陸経済研究所の新春講演会で喋ったものです。
https://www.hokukei.or.jp/contents/pdf_exl/kouenkai2206.pdf
Ⅰ 「ジョブ型」は古くさい1 「ジョブ型」は新商品に非ずコロナ禍の2年間と重なる形で「ジョブ型」という言葉が流行っています。新聞、雑誌、ネット上などでいろいろと紹介されていますが、どうも誤解があります。私は、その誤解を払拭するために講演や書物で解説しており、昨年9月には『ジョブ型雇用社会とは何か』を刊行しました。本の「帯」に「一刀両断!」と書かれていますが、これはまさに今、流行っているジョブ型という言葉の使われ方が間違っているので、そう表現しました。「何が間違っているか?」というと、世の中で流行っている主張の9割以上は、「これまでのメンバーシップ型ではもうダメで、これからはジョブ型にしなければならない」というものです。まるで「ジョブ型が新しいものである」かのように紹介されていますが、それは「ウソ」である、ということをまず言いたいのです。(1)日本以外はすべて「ジョブ型」ジョブ型という言葉は、日本以外では通用しません。なぜかというと、日本以外では「ジョブ型“しか”ない」からです。イギリスで産業革命が始まって以来、企業組織の基本構造はジョブ型であり、それ以外は無い、といっても過言ではありません。海外では「ジョブ型という言葉すら無い」のです。ネット上では「世界中が今やジョブ型に向かっている」といった論調もありますが、そんな馬鹿なことはありません。最近になってジョブ型が流行り出した、ということではないのです。・・・・・・
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