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2022年5月29日 (日)

小島剛一『再構築した日本語文法』

31hj1hulotl_sx350_bo1204203200_ これは全く偶然、たまたま古本屋で目に入って、著者名になんだか古い記憶があったので、ふつうこの題名なら手に取ったりしないのに、わざわざ引っ張り出してみたら案の定、あの名著『トルコのもう一つの顔』(中公新書)の著者だとわかり、え?あの怪人が日本語文法?とおもってぱらぱらめくってみたら、これがもう人をつかんで離さないくらい面白そうで、おもわずそのまま買ってしまい、そのまま一気に読みふけってしまったという一種の怪著です。

https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-601-3.htm

学校で「教えられ」た日本語文法には、同時に教えてもらった英語文法(や大学で学んだ第二外国語等の文法)の明晰さに比べて、その訳の分からなさに辟易した思い出を持っている人が多いと思いますが、その鬱屈を一気に爆破するものすごい快感を与えてくれる文法書です。

学校日本語文法がいかに非論理的であるかのみならず、日本語の細かなニュアンスの襞に無頓着であったかがこれでもかこれでもかと叩きつけるように示されて、これは本当に掛け値なしに、目から鱗がぼろぼろと崩れ落ちる轟音が脳内に響き渡ります。

目次は下にコピペしておきますが、中でも特筆すべきは、欧米語の間違った翻訳により「受動態」なるものがあるかの如く「教えられ」ている「れる・られる」の正体が、「情動相」という事実に即したラベルに貼りなおされているところです。

上の文章にも出てきた「教えられ」って、学校日本語文法を「教えられ」た我々はみんな欧米語の受動態に対応する「受身」だと思い込んでいますが、いやいやその用法の現場に密着してよくよく観察すれば、そうではなくて、「話者自身が被害者または受益者であることを表わす構文」なんですね。

教えてもらった英語文法は間違いなく我々は受益者ですが、あの学校日本語文法に関しては間違いなく被害者として「教えられ」たってことが、本書を通読するとしみじみとわかります。

はじめに 品詞分類と構文分類
「主題─述語」構文と「主語─動詞」構文

1. 名詞
1.1. 名詞の定義
1.2. 格標識
1.3. 主題標識
1.4. 形式名詞
1.5. 時を表わす名詞
1.6. 名詞文
1.7. 繋辞の活用
1.8. 明確な表現と「ぼかした」表現
1.9. 名詞文からなる節
1.10. 謂わゆる「代名詞」

2. 数量詞
2.1. 数量詞の定義
2.2. 数量詞句

3. 名詞型形容詞
3.1. 名詞型形容詞の定義
3.2. 名詞型形容詞の分類
3.3. 名詞型形容詞文
3.4. 名詞型形容詞の活用
3.5. 名詞型形容詞文からなる節

4. タル形容詞
4.1. タル形容詞の定義

5. イ形容詞
5.1. イ形容詞の定義
5.2. イ形容詞文
5.3. イ形容詞の活用
5.4. イ形容詞文からなる節

6. 不変化前置形容詞

7. 不変化叙述形容詞

8. 動詞の定義と分類
8.1. 定義
8.2. 活用による分類
8.3. 意味と構文による分類
8.4. 必須補語の数(および格標識の種類と機能)による分類

9. 動詞の「時制」「人称」「受動態」「相」
9.1. 動詞の「時制」「人称」「受動態」
9.2. 動詞の「相」

10. 存在動詞
10.1. 存在動詞の定義
10.2. 存在動詞文
10.3. 存在動詞の活用
10.4. 存在動詞文からなる節

11. 動態動詞
11.1 動態動詞の定義
格標識「を」と「に」の諸機能
11.2. 動態動詞文
11.3. 動態動詞の活用
11.4. 動態動詞の活用形の用法
11.5. 動態動詞文からなる節

12. 認識動詞
12.1. 認識動詞の定義
12.2. 認識動詞文
12.3. 認識動詞の活用
12.4. 認識動詞文からなる節

13. 判断動詞
13.1. 判断動詞の定義
13.2. 判断動詞の構文

14. 病覚動詞
14.1. 病覚動詞の定義
14.2. 病覚動詞の構文

15. 静態動詞
15.1. 静態動詞の定義
15.2. 静態動詞の構文

16. 移態動詞
16.1. 移態動詞の定義

17. 可能動詞
17.1 可能動詞の定義
17.2. 可能動詞の活用

18. 認識動詞の継続相「─ている」
18.1. 認識動詞の継続相の定義

19. 移態動詞の結果相の定義
19.1. 移態動詞の結果相
19.2. 移態動詞の結果相の活用
19.3. 結果相でしか用いない移態動詞

20. 動態動詞の継続相「─ている」

21. 動態動詞の「─ている」で終わる結果相
21.1. 瞬間動詞の結果相
21.2. 持続動詞の結果相

22.  動態動詞の「─てある」で終わる結果相
22.1. 動作主不明の場合
22.2. 動作主が誰であっても重要ではないので言及しない場合
22.3. 動作主が話者自身なので言及しない場合
22.4. 動態動詞の「─てある」で終わる結果相の活用

23. 使役相「─せる・─させる」「─す」
23.1. 使役相の定義
23.2. 使役相の形態
23.3. 使役相の構文
23.4. 使役相の活用

24.  情動相と「擬似受動態」「─れる・─られる」
24.1. 後接辞「─れる・─られる」に関する前置き
24.2. 情動相
24.3. 西ヨーロッパ印欧諸語のなぞりの「擬似受動態」

25. 願望相と他力本願相
25.1. 願望相
25.2. 願望相から派生する動態動詞
25.3. 他力本願相

26. 名詞型複合形容詞
26.1. 複合ナ形容詞
26.2. 複合ノ形容詞
26.3. 複合ナノ形容詞
26.4. 複合ø 形容詞

27. 複合イ形容詞
27.1. イ形容詞で終わるもの
27.2. 活用語尾「─しい」を付加したもの
27.3. イ形容詞型派生接辞で終わるもの
27.4. 接辞化したイ形容詞で終わるもの

28. 複合不変化前置形容詞

29. 複合動詞
29.1. 名詞+動詞
29.2. 名詞+動詞型派生接辞
29.3. 畳語、副詞、感歎詞+「─する」
29.4. 形容詞の中止形+「─する」
29.5. 形容詞の中止形+「─なる」
29.6. 形容詞および動詞 +「─過ぎる」
29.7. 動詞の中止形+動詞
29.8. 動詞の中止形+動詞型後接辞
29.9. 動詞の複合中止形+動詞
29.10. 動詞の複合中止形+接辞化した動詞
29.11. 活用形のように見える接続詞「─たり・─だり」を 含む複合動詞
29.12. 主題標識を含む複合動詞
29.13. 条件節を含む複合動詞
29.14. 動詞の勧誘形+「─と」+「する」
29.15. 前接辞+動詞
29.16. 前接辞「お─・ご─」を含む謙譲語と尊敬語

30. 熟語動詞

31. 指示詞

32. 不定表現

33. 副詞
33.1. 文修飾の副詞(=予告副詞)
33.2. 語修飾の副詞

34. 接続詞
34.1. 名詞と名詞を結ぶ接続詞
34.2. 文と文を結ぶ接続詞
34.3. 節と節を結ぶ接続詞

35. 引用詞
35.1. 文中引用詞
35.2. 文末引用詞
35.3. 引用詞を含む連体節

36. 擬音語、擬態語、擬情語

37. 感歎詞
37.1. 情動を表わす感歎詞
37.2. 応答の感歎詞

 

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