フォト
2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« スペインは月5日の生理休暇制度を計画 | トップページ | 第10回税制調査会 »

2022年5月13日 (金)

吉野家と技人国とTypeCの三題噺

Jzseu31p_400x400 先日の吉野家の一件についてのエントリに内容的に関わりのあるツイートを、例の桝本純さんのファンになった女性声優さん(男)がされているのを見つけましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-321a54.html(吉野家の一件のジョブ型入管法的理由とその消滅)

https://twitter.com/ssig33/status/1522756155050582019

技人国で(実質的には)単純労働をしてる外国人が現時点で結構たくさんいるみたいのが吉野家のついでに燃えてほしいなという気持ちがあるんだが、これは結局言い換えると「大学出ても営業事務だの居酒屋の店長だのみたいなノースキル労働してる日本人がたくさんいる」という話でもあるので燃えづらいかな

https://twitter.com/ssig33/status/1522756428225646594

日本企業は単純労働の積み重ねで成立しており、にもかかかわらずその単純労働がマニュアル化されていないので大卒程度の「知能」を必要としているが、あくまで「知能」を必要としていて「スキル」は求めてないので 40 代半ばでリストラされていく、というのが Big Picture だと思うんですよね。

71wv0uu79l だいぶひねた物の言い方をしているのですが、ここで女性声優さんが言っていることを裏返していうと(というか、むしろ裏向きの表現を「表返し」ていうと)、海老原さんが新著『人事の企み』の最後の方でいっているTypeCの「なんとかやっていける仕事」の話につながっていくんですよね。

それをもういっぺん裏返した同書の巻末に載っているわたしの「解説」からその部分を引用しておくと、

 海老原さん曰く、TypeCの仕事とは「なんとかやっていける仕事」である。TypeAみたいに長期間かけてみんな少しずつ成長していく仕事でもなければ、TypeBみたいにはじめからできる奴といつまでたってもできない奴の個人差が大きい仕事でもない。ヒラの雑用だけでなく、係長、課長、部長と役職を上がっていっても「なんとかやっていける仕事」がある。そしてそれこそが社内補充でなんとか回していける理由であり、日本型のメリットだ。それに引き換え、欧米社会は要りもしない専門性で職務の閉塞性を高めているじゃないか、と。
 ここで海老原さんが言ってることはほぼ正しい。少なくともメカニズムの説明としては。そしてそのメリット面の指摘としては。でも、今日企業で人事を担当している人々からすると、それがもたらしているデメリット面がスルーされていると感じるのではないでしょうか。その「なんとかやっていける仕事」でもって役職を上がっていき、その「職務遂行能力」の評価でもって高い給料をもらっているTypeCの「働かないおじさん」たちをどうしたらいいかで、俺たちは日々悩んでいるんだよ、と。
 海老原さんの言っていることは間違っていないのです。素人でもちょっと頑張れば「なんとかやっていける仕事」程度の代物にご大層な教育訓練制度やら職業資格制度をくっつけて、その訓練を受けなければ、その資格を得なければその仕事ができないなんて不自由きわまる仕組みでがんじがらめにしている欧米社会なんて馬鹿みたいだ、と普通の日本人は思いますよね。ジョブ型社会とは古くさくて硬直的で、人間の本当の能力ってものが分かっていない連中が作った碌でもない代物だ、と言いたくなるかも知れません。
 でも、その余計な硬直性のおかげで、TypeCをこなせる程度の人材を、やたらにもったいぶっためんどくさい儀式を経てその仕事に就けて、その程度の給料だけを払い、それ以上の負担をしなくて済んでいるとも言えます。そこは海老原さんも、「欧米でもTypeC専用人材はいないからTypeA,B崩れの高給者を採らねばならない」と逃げていますが、いやあ、それにしても、日本の使えないおじさんの高給で、緩い業務内容、そして首が切れずしがみつく様とは差があるでしょう。
 ものごとは全て、メリットの裏にはデメリットがぺたりと貼り付いているのであって、「要りもしない専門性で職務の閉塞性を高め」てこなかった日本企業が、そのツケをどういう形で払うことになっているかというのも、その好例でしょう。

 

 

 

 

 

« スペインは月5日の生理休暇制度を計画 | トップページ | 第10回税制調査会 »

コメント

「訓練しなくてもなんとかやっていける仕事」の作業内容を明確化し訓練プロセスを構築することで、「なんとかやっている」人達よりもよい成果がでる、作業者の QoL も上がる、みたいになっていないか?というのが僕の問題意識です。

「学部の間も入社してからも録に労働者として訓練されずに放置されて最終的に仕事ができない人として早期退職という名の退職勧奨でリストラされる」というのは確実に起きていることであり、あまりにも残酷すぎないでしょうか、これは。

後から振り返ってみれば残酷という面もありますが、逆に時間の流れの前から見れば、スキルの証明書がなくてもそれなりの処遇の世界にするすると入って享受できるという意味では「いい世界」であったのも確かなので、そう簡単に評価を下しにくい、というか、そもそも世の中のものごとはみんななにがしかそういう両面性を持っているわけですが。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« スペインは月5日の生理休暇制度を計画 | トップページ | 第10回税制調査会 »