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2022年5月16日 (月)

スウェーデンの学校はミルトン・フリードマンの夢精

Shutterstock_729043327750x392 スウェーデンというと、どうしても社会民主主義モデルの右代表みたいな感覚が強いのですが、学校教育に関してはミルトン・フリードマン直伝の民営化+教育バウチャー制度というシン・自由主義の傾向が強いらしく、それを激しく批判するエッセイが、ソーシャル・ヨーロッパに載っています。

https://socialeurope.eu/swedens-schools-milton-friedmans-wet-dream

Lisapelling1115x115 著者はリサ・ペリングという方ですが、タイトルがすごくて、「Sweden’s schools: Milton Friedman’s wet dream」(スウェーデンの学校:ミルトン・フリードマンの夢精)というほとんど罵倒に近い表現。

・・・This creates a vicious circle. While private for-profit schools operate classrooms with 32 pupils (with the funding from 32 vouchers), municipalities have to run schools where classrooms have one, two or maybe five pupils fewer. Less money per teacher and per classroom mathematically increases the average cost per pupil.

・・・これは悪循環を作り出す。私立の営利学校は(32人分のバウチャーでもってまかなわれる)32人の生徒の学級を運営するが、市町村は一人、二人、せいぜい5人の生徒の学校を運営しなくてはならない。教員あたり、そして学級あたりのお金が少なければ、数学的に生徒あたりの平均コストは増大する。

If the cost per pupil for the municipality rises in its schools, the private schools are legally entitled to matching support—even if their costs have not risen. Public schools lose pupils, and so funding, to for-profit schools, while their consequently rising cost per pupil delivers a further funding boon to the private schools—which, with the help of this additional support, become even more attractive. All the while public schools are drained of much-needed resources and so the downward spiral continues.

市町村にとって学校で生徒あたりのコストが増大すれば、私立学校はコストが増大しなくても合法的に支援を受ける権利を得られる。公立学校は生徒を失い、予算は営利学校に向かい、結果としての生徒あたりのコスト増大は私立学校へのさらなる利益を生み出し、この追加的支援の助けで、さらに魅力的となる。公立学校がとても必要とする資源を吐き出せられている間、下方へのスパイラルが続くのだ。

Inevitably, it is mostly privileged kids who are able to exercise their right to attend private schools, so socially-disadvantaged pupils are left in the public schools. This not only favours inequality of performance between schools but also lowers the overall average—high-performing Finland, by contrast, has very low performance gaps between its schools.

不可避的に、私立学校に通う権利を行使できるのはもっとも恵まれた子供であり、社会的に恵まれない生徒は公立学校に取り残される。これは学校間のパフォーマンスの格差を拡大するだけではなく、全体的な平均をも引き下げるのだ。これに比べて、パフォーマンスのいいフィンランドは、学校間のパフォーマンス格差はとても少ない。

というわけで、今まさに中立国を捨ててNATOに加盟しようとしている北欧の二国、スウェーデンとフィンランドが、何となくいろんな分野でよく似た社会であるかのように考えてきましたが、教育という分野に関してはかなり対照的であるのが実情のようです。

それにしても、スウェーデンの学校が「ミルトン・フリードマンの夢精」と言われるほどにシン・自由主義的になっていたとは全然知りませんでした。

 

 

 

 

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