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2022年5月 5日 (木)

ジョージ・オーウェルからの若干の教訓

9586be58f7620c6c028f34f5af69e4a3480x たまたま日本の憲法記念日にあたる5月3日付でEUObserverに掲載されたカロリーネ・デ・グルイターさんの「Some lessons from George Orwell」(ジョージ・オーウェルからの若干の教訓)というエッセイが、まさに日本の文脈においてもなかなか面白かったので紹介。

https://euobserver.com/opinion/154848

"Pure pacifism can only appeal to people in very sheltered positions." While reading George Orwell's essay The Lion and The Unicorn, one must pinch oneself at times: this could have been written today.
Instead, Orwell wrote these lines in 1941. 

「純粋平和主義は極めて隔離された位置にいる人々だけにアピールする。」ジョージ・オーウェルの『ライオンと一角獣』というエッセイを読んでいると、時に我が身をつねらなければならなくなる。これは今日書かれたかのようだ。ところがオーウェルがこれを書いたのは1941年なのだ。

・・・For example, he raises an important question we have been wrestling with since Russia invaded in Ukraine in February: is it possible at all to be a pacifist in these times?

たとえば彼は、去る2月にロシアがウクライナに侵略して以来われわれが取り組んできている重要な問題を提起している:今日ただいま平和主義者であることなんて可能なのか?

Orwell, a lifelong socialist, was a member of the Independent Labour Party. But he was fiercely critical of the party, because it dismissed Stalin's excesses and refused rearmament. It was opposed to war in principle, and wanted to stay out.

終身の社会主義者であったオーウェルは独立労働党の党員であった。しかし彼は同党に対して激しく批判した。なぜなら同党はスターリンの行き過ぎを無視し、再軍備を拒否したからだ。同党は原則として戦争を否定し、局外にいようとした。

Orwell, on the other hand, became convinced one had to defend democracy against fascism and totalitarianism.

これに対してオーウェルは、ファシズムと全体主義に対して民主主義を防衛しなければならないと確信した。

This is why, in the 1930s, he went to fight in the Spanish civil war. He complained about British champagne-socialists, more attached to their mansions and privileges than to the cause of democracy. "The lady in the Rolls-Royce car is more damaging to morale than a fleet of Goering's bombing planes," he wrote.

これが、1930年代に、彼がスペイン内戦に参戦した理由だ。彼は民主主義の大義よりも大邸宅と特権に執着するイギリスのシャンペン社会主義者に不満を鳴らした。「ロールスロイス車に載っているレディはゲーリングの爆撃機よりもモラールに有害だ」と彼は書いている。

「大邸宅と特権に執着するイギリスのシャンペン社会主義者」ってのが、例のピケティのバラモン左翼を半世紀以上先取りしているように見えるのも面白いところです。

51jt2p94ntl_sx325_bo1204203200_ ちなみに、『ライオンと一角獣』は平凡社ライブラリーで出ているようです。

「特定の地域と特定の生活様式に対する献身」という意味での愛国心を守り、高級文化よりもその根もとにある民衆文化を大事にしたジョージ・オーウェルの思想がよく表れた、共感あふれるエッセイ集。

 

 

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コメント

 独立労働党(Independent Labour Party (ILP))は。1893年に結成された英国の左翼政党で、フェビアン協会(Fabian Society)などとともに労働党結成(1900年)に参加した組織として知られていますが、その後も労働党とは別個の政党として存続していて、オーウェルがスペイン内戦に赴くために加入したころ(1930年代)は、労働党との連携も解消していました。
  この党がその後どうなったか、気になっていましたが、1975年に労働党に合流し、Independent Labour Publications(略称はILPのまま)と改名して、党内の圧力団体として、現在も存続しているみたいですね(https://www.independentlabour.org.uk)。

 世界史の教科書などで、マルクス主義とは異なる、独自の漸進的社会主義を主張した団体として紹介されている、フェビアン協会(1884年結成)も今も労働党のシンクタンク的組織として存続していますが(https://fabians.org.uk)、ここらあたりは、古い伝統を尊重する英国の面目躍如というところでしょうか。
 過去の伝統を現在の世代に引き継ぐという地道な作業をやっていかないと、未来を開くこともできないと思いますが、日本の左派はこの点でも努力不足で、それがそのまま極端な勢力低迷につながっている、と感じています。

貴重な情報ありがとうございます。
歴史上の存在が今なお生き続けているというのは、いかにもイギリスらしいですね。

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