金春喜『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』
昨日、上智大学グローバル・コンサーン研究所主催の「シンポジウム 検証・日本の移民政策」に出席して報告+パネリストをしました。それについてはそのうち報告がまとまったらまた取り上げるとして、その場に来られていた金春喜(きん・ちゅに)さんから、『「発達障害」とされる外国人の子どもたち フィリピンから来日したきょうだいをめぐる、10人の大人たちの語り 』(明石書店)をいただきました。
https://www.akashi.co.jp/book/b505172.html
外国から来日し、日本語もよくわからない子どもが「発達障害」と診断され、特別支援学級に編入される。近年日本各地で起こっているこの出来事の背景を、フィリピンから来た2人のきょうだいにかかわった教員ら計10人に対するインタビュー調査を通して探る。
教育現場で「外国人としての困難」に対処するために「障害児としての支援」がなされるという事態の中に、日本社会のいろいろな問題が浮かび上がってくる秀逸な一冊です。
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結局、日本語が不自由な生徒(子供?)にせよ、多動な生徒(子供?)にせよ、
「当該授業の内容に鑑みて」というような個別的な対応にならずに、そもそも
通常の子供と同一のメンバーシップを付与することはできないという包括的な
対応になっちゃう、ってことでしょうね。
> 欧州の中学、高校では落第や、逆に飛び級が当たり前だからです。
> 学位を取れる時期もバラバラですから、卒業する時期もバラバラになる。
https://www.bengo4.com/c_5/n_14392/
それはそうと、「外国人の子供」対「発達障害者」というアイデンティティ・
ポリティクスにならないといいのですが。
投稿: KH | 2022年5月 3日 (火) 08時31分