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2022年3月28日 (月)

冷戦思想を「脱陣営化」すべき時@ソーシャル・ヨーロッパ

Pics1115x115 例によって欧州左派の集まりであるソーシャル・ヨーロッパからですが、このシェリ・バーマンさんのエッセイは、今の日本にもちらちらと見え隠れする連中と同じようなのがヨーロッパにもやはりちらちらといるんだな、というのがよく分かって、大変面白い。

題して「Time to decamp from cold-war ideas」。なかなか訳すのが難しいですが、冷戦思想を「decamp」するときだ、と言っているんですが、この「decamp」、辞書を引くと戦場で野営を引き払うという意味なんですが、文中に出てくる「campism」(陣営主義)から脱却しろよ、という意味にもなっていて、しかも今現前のウクライナの戦場のイメージと重ね焼きされるような絶妙な用語の選定になっていて、それだけでじわじわ味わえます。

https://socialeurope.eu/time-to-decamp-from-cold-war-ideas

 The Russian invasion of Ukraine presents the greatest threat to peace in Europe since the end of the cold war and the wars in former Yugoslavia. Maintaining peace throughout the globe is one of the left’s primary goals, so its responses to this crisis are critical. Unfortunately, parts of the left remain mired in a pathology which weakened it morally and politically during the cold war—‘campism’.

ロシアのウクライナ侵略は冷戦終結と旧ユーゴスラビア戦争以来の欧州の平和への大きな脅威となっている。全地球上に平和を維持することは左翼の第一の目標であり、だからこの危機に対するその対応は重要だ。不幸なことに、左翼の一部は、冷戦期に左翼を道徳的にも政治的にも弱体化させた病理-「陣営主義」の泥沼に未だにぬかるんでいる。

Campism views the world as divided into two hostile camps: an aggressive, imperialist one led by the United States and an anti-imperialist one composed of America’s ‘opponents’. During the cold war, this Manichean worldview led parts of the left to rationalise or ignore crimes committed by the Soviet Union, China and other adversaries of the US.

陣営主義は世界を2つの対立する陣営に分かれているとみる。アメリカに率いられる攻撃的で帝国主義的な陣営と、アメリカの「敵」から構成される反帝国主義の陣営だ。冷戦の間、このマニ教的な世界像は左翼の一部をして、ソ連、中国その他のアメリカの敵国によって行われた犯罪を合理化し、無視するように導いた。

Although the cold war ended, parts of the left remain mired in this worldview, allowing its responses to world events to be driven by what it opposes (the US), rather than what it stands for—progressive principles. This has led parts of the left to blame the US for the invasion of Ukraine, it having purportedly threatened Russia via the ‘expansionist drive’ of the North Atlantic Treaty Organization.

冷戦は終わったにも関わらず、左翼の一部はなおこの世界像の泥沼にぬかるみ、世界の出来事へのその反応を、その立場に立つべき進歩主義的原則よりも、その敵対する者が誰か(アメリカ)によって駆動されることを許している。これが左翼の一部をしてウクライナ侵略について、NATOの拡大を通じてロシアを意図的に脅かしたのだとアメリカを責め立てることをもたらしている。

 ふむ、というわけで、日本にもちらちらといますね。こういう「陣営主義」の泥沼に未だにぬかるんでいる連中が。

  

 

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コメント

このエントリで紹介した「陣営主義」(campism)について、その言葉の出所であるアメリカ民主社会主義者のサイトの論文を、松尾匡さんが和訳しています。

上のつまみ食い訳ではわかりにくいところもしっかりと書かれていますので、是非リンク先に行って読んでみてください。

https://note.com/matsuo_tadasu/n/nccab11477c5b

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