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2022年3月28日 (月)

障害とスキルと『能力』の関係

こういうツイートが話題になっていたようですが、

https://twitter.com/KojimaTakeshi1/status/1507571545727967233

おれ、スゲー勉強して、京大行って、博士号とって、研究員として雇用もされてたんだよ。でも、精神障害者になったとたん、就労支援作業所でやる作業が、大量の布おむつカバーを畳む、なんだよな(埼玉県中央部)。
 
日本スゲー、よな
‼

71ttguu0eal_20220328092301 これに「ホントスゲーおかしい! 」とか「これをシュールと言わずして何をシュールと言おう 」という反応がされていますが、いやいや日本社会のソシオグラマーからすれば何もおかしいことはないのです。そこのところを、『ジョブ型雇用社会とは何か』の「メンバーシップ型になじまない障害者雇用」から一節引用しておきましょう。

障害とスキルと「能力」の関係
 改めて、雇用における障害とは何かを考えてみましょう。障害とは日常生活や社会生活における行動を制約する心身の特徴ですが、職業生活との関係で考えれば、その障害が遂行するべき仕事にとって不可欠な部分に関わることもあれば、そうでないこともあります。障害者は全て何らかの特定の部分についての障害を有する者なのであって、他の部分では必ずしも障害を有しているわけではありません。肢体不自由な身体障害者であっても事務作業は抜群にできるかもしれませんし、知的障害者であっても辛抱強く単純作業をこなせるかもしれませんし、精神障害者であってもマイペースでやれる仕事には向いているかもしれません。
 ジョブ型社会においては、採用とはそのジョブに最もふさわしいスキルを有するヒトを当てはめることです。健常者であっても障害者であってもその点に変わりはありません。違うのは、そのジョブにふさわしいスキル以外の点です。そのジョブをこなすスキルは十分持っているけれども、そのスキルとは直接関係のない部分で障害があり、その障害に対応するためには余計なコストがかかるので、例えば車椅子で作業してもらおうとすると職場を改造しなくてはならないので、その障害者を採用しないというケースが典型的です。個々のジョブレベルではそれは不合理な決定です。しかし企業の採算というレベルでは合理的な判断です。とはいえマクロ社会的な観点からはスキルのある障害者を有効に活用できないのでやはり不合理な決定と言わざるを得ません。この不整合を是正し、ミクロなジョブレベルでもマクロな社会レベルでも合理的な決定に企業を持って行くためのロジックが合理的配慮という発想です。差別禁止と合理的配慮という組み合わせは、ジョブ型社会の基本理念に基づくものなのです。
 ところがメンバーシップ型社会では、その全ての基本になるべきジョブやスキルの概念が存在しません。その代わりにあるのは無限定正社員とその不可視の「能力」です。そういう社会の中に、特定のジョブのスキルは十分あるけれどもそれ以外の部分で就労を困難にする要因がある障害者をうまくはめ込むのは至難の業になります。障害者には日本的な意味での「能力」があると言えるのか。考えれば考えるほど答えが出ない領域です。これまでの日本の障害者雇用政策がもっぱら雇用率制度により、別枠として一定数の障害者を雇用させる手法に頼り、とりわけ特例子会社というような形で人事労務管理も完全別立てにすることが多かった理由はそこにあります。

 

 

 

 

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コメント

「合理的な配慮は大事だ」と「教育的な要素のある環境で受講者に個人的なことをシェアさせるのはやっちゃダメ」のような意見が両立している方々がいるようなのですが、「教育的要素のある環境おける受講者」というのは正社員と同じようなもので、日本的能力によって既に選抜されている特殊環境であるので、合理的配慮は不要であり、したがって、障害という個人的な情報のシェアが必要になる場面もないということでしょうか。また、個人情報の共有の有無を従業員の評価に反映するべきではないという意見については、職場における行動はすべて評価の対象になるという意見とは対立しますね。

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