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2022年2月17日 (木)

守銭奴経済

守銭奴というのはパラドクシカルな存在。

本来お金というのはその金を使ってモノやサービスを買って贅沢して愉しい生活ができることが目的のはずなのに、お金を貯め込むことばかりをひたすら追い求め、爪に火をともす貧しい生活を送りながら、預金通帳の上で増え続ける数字を飽かず眺めてはニタニタ笑っている不思議な存在。

のはずなんだが、現代経済というのはほっとくとそういう風になりがちだ、ってのが小野善康さんのいっていることなんだろうな。

そういう守銭奴経済の罠にはまってしまった日本では、政治家も学者も評論家もみんな脳みそが守銭奴化してしまっているものだから、「分配」という本来望ましい政策すらもが、モノやサービスをみんなにばらまこうという話には向かわず、ひたすらゼニカネをばらまくことにしか頭がいかない。その結果、預金通帳の残高ばかりがひたすら増えていき、肝心のGDPの構成要素であるモノやサービスの付加価値にはつながらないという笑劇ばかりが繰り返されるという一幕。

守銭奴から金を取り上げてモノやサービスの形にしてみんなにばらまけば、その一つ一つがGDPを引き上げることになるんだが、そういうのを無駄の極みと目の仇にするんだからどうしようもねぇや。

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コメント

  小野 善康 先生の「資本主義の方程式-経済停滞と格差拡大の謎を解く(中公新書)」のことですね。
 hamachan先生、たいへん分かりやすいまとめをしていただいて、どうもありがとうございました(笑)。

「金持ちはお金は持っているが使うところがない、そういう人たちがお金を使いたくなるサービスを作れば売れて、景気がよくなる。」と言うと「金持ち優遇だ!」って意見が出てくる奴ですね。個人の感想はいかようでもいいと思いますが、メディアの報道部門がこういうのをピックアップしてくるんですよねぇ。メディアの娯楽部門はちまっとしたものしか紹介しないし。
IRでカジノもこの延長線上でしょうか。

小野善康先生「資本主義の方程式」は私も読みました。
「守銭奴経済」とはhamachn先生らしい、皮肉の効いた的確な表現ですね。
私は本書はジョン・メイナード・ケインズの「一般理論」の成果を引き継ぎ、発展させた続編とも言うべき本だと思っています。
そのような本が描いた経済社会の有様を「守銭奴経済」は見事に表していますね。

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