「ジョブ型」祭りには一服の清涼剤としてこの一冊
ちょうど一昨年の今頃から日立製作所をネタに始まった日経新聞主導の「ジョブ型」祭りは、今年もますます燃料を投下しつつ続けていくようですが、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC263I70W1A221C2000000/(日立製作所、全社員ジョブ型に 社外にも必要スキル公表)
日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ型雇用」を本体の全社員に広げる。管理職だけでなく一般社員も加え、新たに国内2万人が対象となる。必要とするスキルは社外にも公開し、デジタル技術など専門性の高い人材を広く募る。年功色の強い従来制度を脱し、変化への適応力を高める動きが日本の大手企業でも加速する。・・・・
さすがに、一昨年の頃のいい加減な記事に比べると、(さんざん批判されたからか)言葉の使い方に若干注意が払われた跡が見受けられますが、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07CB90X00C22A1000000/(ジョブ型雇用とは 職務明確化、専門性高める)
働き手の職務内容をあらかじめ明確に規定して雇用する形態のこと。事業展開に合わせて外部労働市場から機動的に人材を採用する欧米企業に広く普及している。会社の業務に最適な人材を配置する「仕事主体」の仕組みといえる。特定の業務がなくなれば、担当していた人材は解雇されることも多い。・・・・
それにしても、これからの新商品として売り込んでいきたいという商魂だけは見事ににじみ出ている記事ではありますね。
祭りが始まってから2年たった今年には、もういちいち反応するんじゃなくって、大事なことはすべてこの本に書いておいたから、ぜひ読んでね、とだけ言っておきます。少なくともジョブ型ってのは古臭いベースラインモデルなんであって、新商品ネタとしてもてはやすようなものではなく、メンバーシップ型こそが少し前にやたらもてはやされていたが今は落ちぶれた古びた新商品なんだということくらいはわきまえて喋ることができるようになるはず。
ちなみに、この日経新聞が年末に経済図書ベスト4位に選んでいただいたおかげか、
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78742310U1A221C2MY6000/
年末時の岩波新書の売り上げベスト10の1位になっていたようで、
https://www.iwanami.co.jp/news/n45220.html
まあ、ありがたいことではあります。
« 日本的特色のある「サービスしてよ経済化」「サービスしまっせ経済化」 | トップページ | 大内伸哉『最新重要判例200[労働法] <第7版>』 »
« 日本的特色のある「サービスしてよ経済化」「サービスしまっせ経済化」 | トップページ | 大内伸哉『最新重要判例200[労働法] <第7版>』 »
コメント