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2022年1月23日 (日)

人文系研究職の雇用構造が垣間見えて面白いんだが

昨年のこのエントリは、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-fa4a02.html(これは労働法的にも大変興味深い事案なので、是非判決まで行って欲しい)

一歴史好きの読者としても大変面白く読ませていただいた本の著者でもあるんですが、それはそれとして人間文化研究機構(国際日本文化研究センター)vs呉座勇一事件は有期雇用契約についての大変興味深い論点を提起しているように思われるので、こういう裁判沙汰をやっていると肝心の歴史の研究が進まないのかも知れませんが、それはそれとして是非徹底的に判決に至るところまでやり抜いていただきたいと切望しております。・・・

今年10月から無期契約になると今年1月に決定を受けた有期契約労働者というのは、その間の期間は有期なのか無期なのか、有期であると同時に無期の内定状態でもあるのか、その間の期間に無期に転換するという決定を取り消されることはどういう法的な性質があるのか、単なる期待の消滅に過ぎないのか、それとも内定状態の無期契約の解除すなわち解雇であって、解雇権濫用法理の対象であるのか。うわぁ、これって、採用内定の法的性質の応用問題のようにも思われるのですが、皆さんどう考えますかね。

まさに労働法的に大変興味深い論点が含まれていたので、わざわざエントリに立てたわけです。もちろん、呉座さんの書かれた本が、個人の趣味としてもたいへん面白く読ませていただいたことからくるある種の親近感のようなものも背後にあったのだと思いますが。

それに比べると、もうあまりにもカオスなのでいちいちリンクもしたくありませんが、ここ数日の人文系研究者間のなにやら醜怪(うんこ学者やらえんこ詰めるやら)な騒ぎは、契約論的には非常勤講師という非正規労働者の雇止めが問題になりうるにすぎず、労働法的には大して興味深いものでもないうえに、登場人物の専門領域も特段関心を惹くようなものでもないため、わざわざエントリを立てるような気もなかったのですが、いくつか読んでいくと、かつての医師の労働市場における医局と同様の労働者供給元的な権力構造も垣間見えたりして、いささか興味深い面も無きにしも非ずなんですが、とはいえ、コメント欄の最近のあたりで恐らく求められているであろうような何らかの中身に立ち入ったコメントをわざわざするほどの意欲もそれほど湧き立たせるものでもなく、とりあえず心覚え的に。

 

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コメント

> 人文系研究者間のなにやら醜怪な騒ぎ
> 労働者供給元的な権力構造

そこにイデオロギー闘争みたいな、よく分からないことが絡んで来て、
労働市場の外部にまで洩れて来るところが、独特な感じはしますけど。
発端が、労働者として大した繋がりがない者同士によるツイッターに
おけるいざこざでしかない、というのが、もの凄くアホらしいですね。

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