『フリーランスの労働法政策』の予告
はじめに(予定)
2020年からのコロナ禍では、雇用調整助成金など雇用維持措置や非正規労働者への保護拡大の問題とともに、新たな働き方としてのテレワークとフリーランスが注目を集めました。労働政策研究・研修機構(JILPT)では、同年8月20日に東京労働大学特別講座「新型コロナウイルスと労働政策の未来」を開催し、それらの問題を概観的に解説するとともに、その内容を同年12月に同題のブックレットとして刊行しました。さらに翌2021年3月3日と同月17日には、そのうちフリーランスとテレワークについて対象を絞った形で東京労働大学特別講座を開催し、テレワークの回については同年6月に、JILPTのテレワークに関する調査結果と併せてブックレットとして刊行しています。
フリーランスについてすぐにブックレットにしなかったのは、ちょうど政府のフリーランス対策が大きく動いているところであったためであり、また諸外国のフリーランス政策も変化のさなかで、しばらく様子を見た方がいいと考えたからです。2021年にもさまざまな新たな政策が登場し、また年末にはEUのプラットフォーム労働指令案が提案されるに至り、そこまでを昨年の講演内容に書き加えた上で、今回遅ればせながらブックレットとして刊行することとしました。ベースは特別講座の講演記録ですので、労働法学の観点から本格的に論じるというよりは、今進んでいる事態の全貌をできるだけ分かりやすく伝えるということに焦点を当てています。
議論がやや突っ込み不足になっている点を補うために、関係資料をできるだけ多くまとまった形で巻末に収録してありますので、それらを照らし合わせながら読んでいただけると幸いです。
Ⅰ フリーランス問題の概観1 フリーランス問題の経緯2 家内労働法3 自営型テレワークガイドライン4 労働者性の判断基準5 雇用類似就業への政策6 フリーランスガイドライン7 新たなフリーランス保護法制の立法8 労災保険の特別加入9 一人親方の安全衛生対策10 小学校休業等対応支援金11 持続化給付金12 税法上の労働者性13 フリーランスの失業給付14 フリーランスの職業紹介15 高齢者・障害者の非雇用型就業政策16 フリーランスの労働組合・団体交渉Ⅱ JILPTのフリーランス関係調査1 JILPTの雇用類似就業者調査2 コロナ禍でのフリーランスの実情3 労働者性スコア4 労働者性に係る監督復命書等の内容分析(1) 全体的状況(2) 職種別の特徴5 雇用類似就業者へのヒアリングⅢ 諸外国におけるフリーランス労働政策1 イギリス2 ドイツ3 フランス4 アメリカ5 韓国6 中国7 EU(1) オンライン仲介サービス規則(2) プラットフォーム労働条件指令案(3) 自営業者の団体交渉権
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