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2021年12月15日 (水)

雇用調整助成金と小学校休業等対応助成金とは趣旨が違う件について

政治家事務所が雇用調整助成金を受給していたことが炎上した問題が、小学校休業等対応助成金にまで延焼しているようですが、

https://mainichi.jp/articles/20211214/k00/00m/010/297000c(立憲・阿部知子氏と岡本章子氏の団体がコロナ助成金受給 返金へ)

 立憲民主党は14日夜、同党の阿部知子衆院議員(神奈川12区)と岡本章子衆院議員(比例東北ブロック)がそれぞれ代表を務める同党支部が2020年に新型コロナウイルスによる臨時休校対策の助成金をそれぞれ受け取っていたと発表した。
 阿部氏の団体が約24万円、岡本氏の団体が約3万円を受給した。両氏とも返金する意向。同党の調査で判明し、西村智奈美幹事長は「政治団体の受給は国民の誤解を招きかねず、返金する」と述べた。新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金を受け取った議員はいなかったという。

なんだか、助成金制度一つ一つの性格付けが何なのかという基本認識をすっ飛ばしたまま、情緒的な議論ばかりが燃え上がっているようですが、こういうときこそしっかり理屈を腑分けしておかなければなりません。

まず、どちらも制度上は政治家の団体が受給することは違法ではありません。政治団体を適用除外していないからです。ただ、それぞれの制度の趣旨目的を考えると、両者には明らかな違いがあります。

雇用調整助成金はもともと石油ショック時に、そういう経済社会的な外的なショックによる労働需要の激減に対処するためにも受けられたもので、それゆえ創設時から2000年までは業種指定を前提とした制度でした。2001年改正で業種指定はなくなり、個々の企業毎に経営状況が悪化すれば対象になるようになりましたが、それでも大元の雇用保険法62条にははっきりこう書かれています。

(雇用安定事業)
第六十二条 政府は、被保険者、被保険者であつた者及び被保険者になろうとする者(以下この章において「被保険者等」という。)に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業として、次の事業を行うことができる。
 景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、労働者を休業させる事業主その他労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと。

支給要領の形式的な文言からは受給できるけれども、大元の制度の趣旨からしたら、政治家の事務所がもらうのはおかしいやろ、という話なのです。

それに対して、小学校休業等対応助成金の方は、周知の通り、安倍前前首相が突如全国の学校の休校を宣言したため、子どもを学校に預けて働いていた親である労働者が休まざるを得なくなったことに起因するものであって、まさに制度の趣旨からして、どんな事業であろうがなかろうが、およそ子どもを小学校に通わせて働いている親たる労働者を雇用している限り本来対象となるべきものですし、その直後にはフリーランス向けの制度も作られています。

ほんとは新聞記者もこれくらいのことは弁えて記事を書いて欲しいところです。

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