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2021年10月 7日 (木)

神津・井手対談

朝日の論座に、連合会長からようやく降りたばかり(対談時にはまだ会長職だった?)の神津さんと、旧民主党から裏切られてばかりの井手英策さんの対談が載っています。

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2021100400004.html

こういう台詞は、なかなかの思いで語られているのでしょう。

――確かに、岸田さんが総裁選で掲げた主張は、民主党や民進党が掲げていた施策と親和性があるように見えますね。

井手 岸田さんが自民党政調会長だった頃(2017~20年)、岸田派の人たちが派閥の要望をつくりました。旗印は「オール・フォー・オール」ならぬ「オール・サポート・オール」。おそらくそれが基になっているであろう総裁選の施策をみても、僕の主張とほとんど同じです。

――「オール・フォー・オール」の核心はどこにあるのでしょうか。

井手 成長が前提でない社会では皆がしんどい。なので、皆を受益者にしないといけない。一方、財源については、皆で痛みを分かち合って負担しないといけない。消費税も必要ですし、お金持ちや大企業にも応分の負担をしてもらわないといけない。皆が負担し、皆が受益者になるので、「オール・フォー・オール」。一種の社会連帯ビジョンです。

一方、神津さんは雇用の硬直性にこう問題意識を示します。

神津 企業別組合には、高度成長の記憶から抜け出せない社会全体の発想が影響していると思います。かつては基本的に完全雇用だったし、会社で一生懸命働くといいことがあった。経済もそれにうまくマッチして成長していった。ただ、その結果、雇用の流動性は極めて低くなりました。

 長期安定雇用が中心だった雇用のあり方が変わり始めたのは1995年、日経連が「新時代の日本的経営」を発表してからです。そこで出てきた働き方のひとつが、非正規雇用といわれるテンポラリーな形の雇用です。非正規雇用は、当時は2割だったのが今は4割になり、女性だけをみると6割になりました。

 その結果、雇用の形態が二つに分断されてしまった。そこでは、本当の意味の連帯は生まれてこない。ましてや「連帯」という言葉の背後に、まず義務を果たすことという戦前からの意識が残っているとするなら、なおさらです。

 労働力の流動性を高めるというのは、もともとわれわれの発想にはなかったのですが、どう考えてもこの硬直性が、日本の社会に禍(わざわい)をもたらしている。だからこそ、繰り返しになりますが、北欧型の労働環境が必要なのです。路頭に迷うことがなければ、転職のイニシアチブはもっと強くなるはずです。

先のエントリに書いた岸田新首相との関係について、二人はこう語ります。

――岸田政権がスタートしました。岸田自民党とどう向き合われますか。

神津 距離感でいうと、岸田さんとわれわれとは比較的近いと感じています。連合は単に野党を応援するだけの組織ではありません。それはひとつの手段であり、メインは政府や与野党に政策を要請し実現を図ることです。その意味で、様々な政策を要請していくうえでも距離感というのは大事です。

 一方で、われわれは二大政党的な政治の運営を求めており、時に政権交代があるほうが望ましいと考えています。目前に迫る衆院選は、菅義偉さんが急に首相を辞めたことで、議席予想の絵柄がまったく変わってしまいました。正直言って、状況としては、以前より厳しくなっている感じはします。

――井手さんは岸田政権をどう見ていますか。

井手 先述したように、岸田さんの政策は僕たちと近いです。ただ、依然成長にこだわり「成長と分配の好循環」に言及しているのは、民主党政権の時と代わり映えしません。「新しい日本型資本主義」と言う以上、成長なき時代を念頭においた政策モデルを考える責任があります。10年間増税しないというのは、アメリカやイギリスと比べて無責任な気がしますね。

正直言って、「減税ニッポン」の野党の応援団でいいのか、二人とも頭が痛いところでしょう。

 

 

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コメント

私は井手英策の講演会に行ったりしてその縁でFBの友達になってます。
井手さんは最近はFBに政治のことをほとんど書いておりません。
今後書き込みそのものをしたくないという事らしいですが。

あれだけ期待して自らも注力した「ALL FOR ALL」が民主党に反故にされて分裂した国民民主党も立憲民主党も最近は井手さんにほとんど声をかけていないようですし。

むしろ公明党に期待しているような感もあります。
FBに公明党が井手さんの政策を採用する動きがあることを書いてました。

公明党は弱者の味方らしいですから、井手さんの政策とは親和性が高そうですね。
同じく「平和」を標榜しておる社会民主党よりもよっぽどマシだと思います。

 公明の支持者のイデオロギー的立場は、雑誌「世界」2020年11月号の 橋本 健二 論文にみられるように、野党支持者と全く同様に、社会民主主義(hamachan先生のおっしゃるところの、米国方言なら、「リベラル」)寄りなんですね。

 この論文を参考にすると、有権者レベルでは約10%でしかない、極右アイデンティティ・ポリティックスの支持者が政権レベルでは著しく過大に代表され、反面、有権者レベルでは約50%の社会民主主義寄りの立場の者は政権レベルで著しく過少代表となっている(岸田氏に代表される、両者の中間の穏健保守派(有権者の約40%)はそこそこに代表されている)、ということを無視すれば、自公連立政権というのは、有権者の全体としてのイデオロギー的スペクトルを一応、大部分はカヴァーしていることは間違いないわけです。   

 あとは、このような現状について、これで日本にまともに民主主義が機能していると考えてよいのか、有権者一人ひとりが真剣に考えなくてはならない、ということなのでしょう。

> 有権者レベルでは約10%でしかない、極右アイデンティティ・ポリティックスの支持者

右派が過大に代表されていることと右派と主要敵同士の関係にあるバラモンが
(今は政権外ですが、少なくとも国会レベルで)過大に代表されていることは
(アイデンティティ・ポリティックス同士による)マッチポンプ的共犯関係が
成立していることが強く疑われます。

> 対立軸は安倍氏の掲げるナショナリズム的な右派型アイデンティティ・ポリティクスをめぐる形而上的なものと、もろもろのスキャンダル・ポリティクスをめぐる形而下的なものに集中する。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-71193d.html

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