フォト
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 山下ゆさんの拙著評 | トップページ | 2つのブログで拙著が言及されました »

2021年10月20日 (水)

『ジュリスト』2021年11月号で労働審判口外禁止条項事件を評釈

1369_p_20211020194301 来週初めに刊行される予定の『ジュリスト』2021年11月号で、判例評釈をしております。

http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/020743

労働審判における口外禁止条項の違法性と国家賠償責任-国(口外禁止条項)事件(長崎地裁令和2年12月1日判決)です。

 Ⅳ 本判決の真の意味
 本件は国家賠償請求訴訟であり、労働審判事件において審判に本件口外禁止条項を付したことが国家賠償法1条1項の「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき」に当たるというXの訴えに対し、結論的にはそれを否定する請求棄却の判決であり、X敗訴、Y勝訴の判決である。
 しかしながら、それは表面的な形式上の勝敗であって、X側の実質的な狙いは本件口外禁止条項が労働審判法に違反するものであることを(国家賠償請求訴訟においては傍論であってとしても)明確に宣言させ、それによって本件訴訟との関係では第三者にすぎないAとの関係で本件口外禁止条項による縛りを事実上解除することにあったと考えれば、X側にとっては極めて満足すべき判決である。
 さらにいえば、本件口外禁止条項が労働審判法違反であると明確に宣言しながら、本件訴訟自体では被告の国が勝訴しているため、敗訴したX側は控訴せずにこれで確定してしまい、Aは自らが関与し得ないところで本件口外禁止条項の効力が失われるという結果だけを甘受しなければならなくなったのであるから、実質的には完全無欠のX側の勝利とすらいうことができよう。

 

« 山下ゆさんの拙著評 | トップページ | 2つのブログで拙著が言及されました »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 山下ゆさんの拙著評 | トップページ | 2つのブログで拙著が言及されました »