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2021年10月 9日 (土)

Nさんの連続短評

71cahqvlel_20211009224901 時代の流れなのか、12年前の『新しい労働社会』の時に比べて、『ジョブ型雇用社会とは何か』に対しては、ブログよりもツイッター上での短評が多く寄せられています。その中で本日心に残ったのは、

https://twitter.com/coriolan1807/status/1446757572745187334

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か』(2021年9月)税別1,122円 メンバーシップ型、ジョブ型雇用という言葉を人口に膾炙させたの濱口桂一郎(1958-)による新刊。 生半可な理解で中途半端に奨励されつつあるジョブ型論をバッサリ切り捨て、大変痛快。
労基法、労働組合法がGHQ労働課の指導により、ジョブ型雇用を志向しながら制定されていながら、戦後早々からの企業別組合の定着や高度成長期の「職能給」定着によりそれがメンバーシップ型一色に塗り替えられていく描写は明快。
また、現下のメンバーシップ型社会にジョブ型の接木をせんとした労働契約法改定、パートタイム労働法の同一労働同一賃金施策解説は、同施策で何がクリティカルに変わるのかいまいち理解できて居なかった身としては勉強になった。 なるほど、大して世の中が変わらないはずである。
職能資格制度における「職務遂行能力」が何一つ具体的な能力・業績を査定するわけでもなく、「やる気」「忠誠心」のといった情意考課であると喝破してあるのも、「まあ、その通りだろうな」という感想である。 大企業の人事屋さんは、同書読んだ方がいいと思うなあ。
あと、本書は「労働法」畑の学んできたドクトリンとはかなり異なる評価、議論になっており、労働判例ばかりだけ追ってても実態や総論はわからんよと言わんばかりの著者の議論は民間企業に勤める給与所得者には説得的。 

一つ一つ、著者の意図を見事に読み取っていただいていて嬉しい。「労働判例ばかりだけ追ってても実態や総論はわからんよと言わんばかり」って、いや言わんばかりじゃなくて露骨に言ってます。

 

 

 

 

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