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2021年10月18日 (月)

『唯物論研究年誌第26号 コロナが暴く支配と抑圧』

590787 大月書店の角田三佳さんより、その編集になる『唯物論研究年誌第26号 コロナが暴く支配と抑圧』をお送りいただきました。

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b590787.html

補償なき時短や休業はては解雇を迫られる非正規労働者、障害児・者とその家族‥‥‥コロナ禍は、さまざまな領域に存在する矛盾や抑圧をあぶりだしている。「社会的弱者」に牙をむく現状を見据え、抵抗と変革の基盤を探る。

私にはよく理解できない哲学的な論文も盛り込まれていますが、特集の中では首都圏青年ユニオンの栗原耕平さんの「新型コロナ禍における非正規労働者の抵抗とその基礎」が、シフト制アルバイト問題をその労働過程を細かく分析することによって浮かび上がらせており、大変興味深く読めました。

あと、植上一希さんらによる「コロナ禍が突きつける大学・若者の教育と社会・政治変革の課題」という座談会の終わりの方で、ジョブ型雇用をめぐってのやりとりが、教育現場の感覚をよく示しています。

小谷 ・・これから日本でジョブ型雇用が増えていくのかが気になっています。例えば日本の学校の先生は、授業とか生徒のケアとか、ゼネラルな能力を求められていますが、ヨーロッパではそういうことはあり得なくて、ちゃんと分業しているわけですよね。日本の場合は、専門性を保った人でも、専門外のことに関わらなければならない。でもオンラインになってくると、ジョブ型で「この仕事をするために雇います」という話になってくる。そうすると、同じように「授業以外に関しては、ほかの人がやるので、しっかり専門性を高めることに自分の時間を使って下さいね」という流れになってくることも考えられるかなと。

蓑輪 公共サービス労働について言えば、ジョブ型にすると公共サービスの機能が本当に崩壊するから、実際、やりたくてもできないんじゃないでしょうか。例えば、虐待介入でも、学校や保育園で日常的に子供たちと接している教師や保育士が果たしている役割は、ほかでは代替できない固有のもので、その人たちを虐待対応の現場から引き上げるのは、現実的にあり得ないし、あってはいけないという気がします。全体として、、公共サービスについて言えば、やっぱりゼネラルが残ってしまう。

小谷 ただ、それが例えば教員志望の人が教員になりたがらない理由にもなっている。

・・・

蓑輪 確かに公共サービス労働は、ジョブ型にしていくとサービスがきちんと提供できないという問題が起きる。ただ、日本はゼネラルな能力が求められすぎて過重労働になっているので、責任や職務を整理しつつ、仕事を評価していく発想は恐らく必要だとは思うんです。ただそうすると、労働者が行う業務を限定して、階層的な職場構成にすべきだという話になって、今度、それでいいのかという話が出てきて本当に難しい。・・・

階層的なジョブ型で仕事を限定することを嫌がり、平等なメンバーシップ型でへとへとになることが歴史的に労働者自身の選好でもあるという日本社会の姿が浮かび上がってくる座談会です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

> 公共サービス労働について言えば、ジョブ型にすると公共サービスの機能が本当に崩壊する
> 虐待介入でも、学校や保育園で日常的に子供たちと接している教師や保育士が果たしている役割は、ほかでは代替できない固有のもの

なぜそうなる。児相の人員を拡充しよう(例えば、今まで教師だった人の一部がそっちの方には行くが、学校などで待機)という風には考えないのかなあ。むしろ、教師は虐待については専門性も権限もなく、対応に非常に大きな困難を抱えているのでないか。

まさにその通りなんですが、唯物論を研究するという触れ込みの人たちであっても、そこまでメンバーシップ型にどっぷり漬かっていて、餅は餅屋という発想にはなかなかいかないのですね。

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