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2021年8月13日 (金)

現代の理論v.現代の理論事件

裁判所のHPに、東京地裁令和3年1月21日の商標権と不正競争をめぐる訴訟の判決が載っています。それがどうしたの?と思うかもしれませんが、その商標というのが「現代の理論」なんですね。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/526/090526_hanrei.pdf

 本件は,⑴ 「現代の理論」季刊電子版(以下「原告出版物」という。)を発行している権利能力なき社団と主張する原告編集委員会が,被告NPOは,原告編集委員会ないしその構成員である原告Bその他の編集委員(以下,原告Bその他の編集委員を「原告Bら」という。)との間で,「現代の理論」という名称の出版物を発行しない旨の合意(以下「本件合意」という。)をしたにもかかわらず,原告編集委員会の商品等表示として需要者の間に広く認識されている「現代の理論」という標章(以下「原告標章」という。)と同一の商品等表示である「現代の理論」という標章(以下「被告標章」という。)を付した別紙出版物目録記載1及び2の各出版物(以下「被告出版物」という。)の出版販売等をし,被告会社は,そのうち同目録記載2の各出版物の発売元として,その販売等をしていると主張して,被告NPOに対しては本件合意及び不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号,3条1項,2項に基づき,被告会社に対しては同法2条1項1号,3条1項,2項に基づき,被告標章を付した出版物の出版販売等の差止め及び被告出版物の廃棄を求めるとともに,被告NPOに対しては平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)415条,不競法4条,5条3項1号又は民法709条に基づき,被告会社に対しては不競法4条,5条3項1号又は民法709条に基づき,連帯して55万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年11月30日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,⑵ 別紙原告商標権目録記載の商標権(以下「原告商標権」といい,その登録商標である「現代の理論(標準文字)」を「原告商標」という。)を有している原告Bが,被告NPOは,原告編集委員会ないしその構成員である原告Bらとの間で,本件合意をしたにもかかわらず,被告らは,原告商標と同一の標章である被告標章を付した被告出版物の出版販売等をして,原告商標権を侵害していると主張して,被告NPOに対しては本件合意及び商標法36条1項,2項に基づき,被告会社に対しては同条1項,2項に基づき,被告標章を付した出版物の出版販売等の差止め及び被告出版物の廃棄を求めるとともに,改正前民法415条,商標法38条3項又は民法709条に基づき,連帯して55万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年11月30日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

Cover3_013_2007_9 Gr_cover030 現代の理論というのはかつて高度成長期には共産党に批判的な構造改革派左翼の雑誌として有名でしたが、21世紀になって再度刊行され、その時には私も何回か寄稿しています。その後今では電子版のマガジン「現代の理論」として発信されています。こちらが原告側の現代の理論です。

http://gendainoriron.jp/vol.27/index.html

Opinon101 一方被告側のNPO現代の理論も雑誌「現代の理論」を出していて、こちらはかつて「OPINION FORUM」というタイトルだったころに何回か寄稿(というか講演録の掲載)したことがあります。

https://sites.google.com/site/gendainoriron/forumopinion/2021natsu

もともと人的にも共通する似たような潮流の雑誌なんですが、そこが「現代の理論」というある意味後光が差すような有難い雑誌名をめぐっていわば家庭争議的に喧嘩しあっているということのようです。親の位牌を取り合う兄弟喧嘩とでもいうべきか。

どちらの最新号にも、元電機連合の小林良暢さんが寄稿していますね。

これも30ページを超える判決文がなかなか面白い。

ここに出てくる人々の名前が全部わかったらこの道のプロです。

ア 雑誌「現代の理論」は,昭和34年5月,月刊誌として創刊されたが(第1次発行),同年9月頃,日本共産党中央の干渉等により,一時終刊となった。その後,Eらが,統一社会主義同盟を結成し,スターリン批判や中ソ論争等を媒介にしながら,歴史の転換点に立った新しい政治・理論潮流の形成に踏み出し,雑誌「現代の理論」は,昭和39年1月,月刊誌として再刊されたが(第2次発行),平成元年12月,終刊となった。
イ 雑誌「現代の理論」は,発行が現代の理論社,編集兼発行人がF(元東京経済大学学長),発売が河出書房であり,編集はG(岐阜経済大学名誉教授)編集長ほか,H(元神奈川県知事),E,I(桃山学院大学名誉教授)らが中心となって行っていた。
雑誌「現代の理論」の第2次発行の休刊に際しては,平成元年12月27日付け朝日新聞書籍欄に「休刊宣言」が掲載され,休刊号は「戦後史と『現代の理論』」を特集し,F,G,H,Iらといった再刊時からの構成員に加え,Jを含む学者や評論家等の論客が揃い,KやLらも寄稿した。

 

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コメント

何と言ったらいいのでしょうか。

正統なマルクス・レーニン主義を称するトロツキスト系の新左翼諸党派は些細なことで大げんかして内ゲバなんぞやっていますが、そういう連中から「改良主義」と言うレッテルを貼られているであろう構造改革派の人たちが彼らの真似をしてどうするのでしょうか。

構造改革派だったために日本社会党を追われ、無念の死を遂げられた御父上をお持ちの故江田五月先生が聞いたらさぞ嘆くでしょうね。

懐かしい!
この道のプロかどうかは別として、飯田橋にあった現代の理論社に行ったことがあり、また第2次現代の理論のバックナンバーを神保町の古本屋で買い漁った私が、クイズに挑戦します。
Fは井汲先生(お目にかかったことがあります)、Gは佐藤昇さん、Hは長洲さん、E、Iがよく分からないけど、沖浦さん、後藤さんかな?あれ、アンジンさんの名前がないですね。
balthazarさんのコメントですが、内ゲバはなかったでしょうが、仲間割れはあったようです。
(構革派と略すグループと構改派と略すグループの間で。)
ハマちゃん先生の「働き方改革の世界史」のなかで「労働者自主管理の逆説」とされたフランス・ユーゴの思想の紹介を夢中になって読み、研究会をつくって議論していた学生時代を思い出します。
裁判で争っている人たちって、私の知っている顔ぶれだったら悲しいです・・・

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/538/090538_hanrei.pdf

8月に控訴審の判決が出てウェブ版現代の理論編集委員会側による商標権の侵害の主張が通って、雑誌版現代の理論側への損害賠償請求が認められたそうです。僕は地裁の判決しか知らなかったのでウェブ版の人に、負けたんですよね、と聞いたら、何を言ってる、自分たちが勝ったのだ、と言わてしまいました。裁判で争っているのは共産党内の構造改革派を源流とするいわゆるフロント系の人たちであって、社会党系の構造改革派とは必ずしも流れを同じくするものではありません。こういうところで江田五月の名前を出すのは本来筋違いですけどね。

判決を読むと、単純にどっちが勝ちというよりも部分的に請求を認めていて、なかなか複雑な判決ですね。

なお、このデジタル版現代の理論では、最新の27号で宮本太郎さんが「社会民主主義の再生とベーシックアセット」を書かれているのですが、

http://gendainoriron.jp/vol.27/feature/miyamoto.php

そこに、編集部からこういう風に書かれていて、

(本誌では、本稿の宮本太郎さんの提起をふまえ、次号で労働政策研究・研修機構労働政策研究所長・濱口桂一郎さんと宮本さんの対談を予定します―編集部)

この対談は抜群に面白いですから、次の28号が出たらぜひお読みください。

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