『ジョブ型雇用社会とは何か』書影
はじめに序章 間違いだらけのジョブ型論1 氾濫するおかしなジョブ型論全社員の職務経歴書作成がジョブ型?世界30万人をジョブ型に転換?職務遂行能力はジョブ型ではないジョブ型は成果主義ではないヒラ社員まで査定する日本ジョブ型は解雇しやすいわけでもない2 ジョブ型の毀誉褒貶ジョブ型はほんとは古くさいME化ではメンバーシップ型が賞賛されたが3 メンバーシップ型の矛盾メンバーシップ型で誰が得をし、誰が損したか揺れ動く日本型雇用への評価取り残された氷河期世代サラリーマンとOLは別範疇バリキャリとマミートラックのはざま働き方改革で矛盾は解決したか?第1章 ジョブ型とメンバーシップ型の基礎の基礎1 ジョブ型契約とメンバーシップ型契約日本型雇用システムの本質は三種の神器ではない雇用のジョブ型、メンバーシップ型賃金のジョブ型、メンバーシップ型労使関係のジョブ型、メンバーシップ型2 入口と出口とその間欠員募集と新卒採用内定が既に雇用契約のメンバーシップ型整理解雇が最も正当なジョブ型定期人事異動がつきもののメンバーシップ型素人を鍛えて育てるメンバーシップ型3 賃金制度と「能力」値札はヒトに貼る?椅子に貼る?人事査定のジョブ型、メンバーシップ型「能力」という絶対に通じない概念4 対照的な労使関係職業の組合、社員の組合利益の争議と家庭争議5 非正規労働者と中小企業労働者低位ジョブ型としての非正規労働者非正規労働者の社会問題化ジョブもメンバーシップも薄い中小企業労働者6 法律と判例の複雑な関係日本の実定法は実はジョブ型労働組合はカルテルである裁判所がメンバーシップ型の社会規範に合わせてきた第2章 入口と出口一 入口-就職と採用1 採用の自由と採用差別禁止ジョブ型社会の入口問題ジョブ型社会における採用差別禁止の意味日本人が理解していない差別禁止の意味日本型採用法理は市場社会の大原則ではないジョブ型で採用の自由を捨てる覚悟はあるのか?2 試用期間の意味試用期間だから問題になり得たジョブ型社会の試用期間メンバーシップ型社会の試用期間3 学歴詐称の意味低学歴詐称は懲戒解雇に値するが高学歴詐称は雇止めにも値しない4 入口の年齢差別禁止法年齢差別禁止法はあるけれど究極のザル法になる理由5 周縁地帯の中途採用職業安定法はジョブ型の法律だが上級国民はハローワークを使わない中途採用の情報公表日本の中途採用ジョブとメンバーシップのはざまの民営職業紹介事業二 入口以前の世界1 教育と職業の密接な無関係教育訓練のジョブ型、メンバーシップ型職業的レリバンスの欠如した教育システムかつては職業教育を重視していたが実業を嫌う教育界職業高校が落ちこぼれ扱いされる社会2 日本型雇用の収縮に取り残される教育日本型雇用に過剰適応した日本型大学利子付き奨学金に復讐される大学生アルバイト収入に依存する大学3 アカデミズムの幻想と職業訓練の世界頑固に維持されるアカデミズム幻想周縁的世界の公的職業訓練雇用と教育は鶏と卵大学はiPS細胞の養成所から脱却できるか?4 学び直しというけれどリカレント教育が暇つぶし教室になるわけ学び直しがうまくいかない理由スキル認証制度がうまくいかない理由5 学習のフォーマルとインフォーマル資格が全てのジョブ型社会ジョブ型社会のアキレス腱当たり前すぎて見えないインフォーマル学習三 定年と高齢者雇用の矛盾1 定年退職は引退に非ず定年制は年齢差別だがそもそも今の定年は強制退職年齢ではない今の定年は処遇の精算年齢賃金制度の矛盾の露呈としての定年後再雇用2 根っこにある中高年問題貢献に見合わない中高年の高給追い出し部屋という象徴貴方に適した職務はない3 矛盾に矛盾を重ねる高齢者雇用対策70歳までの就業確保措置再就職支援は内部労働市場政策?フリーランスもボランティアも内部労働市場四 解雇をめぐる誤解1 ジョブ型社会で最も正当な整理解雇ジョブ型社会にも解雇規制はある借家契約と雇用契約リストラが最も正当なジョブ型社会、極悪非道の日本雇用維持助成金の性格2 誤解だらけの「能力」不足解雇ジョブ型社会では能力不足で解雇し放題?ジョブ型社会のスキル不足解雇日本では中高年が「能力」不足解雇老化したiPS細胞の悲劇会社への忠誠心不足が正当な解雇理由になる日本3 現実社会の解雇の姿日本は実は解雇だらけ中小零細企業は「貴様ぁ解雇」でいっぱい金銭解決もできない泣き寝入り労働者が多数派解雇の金銭解決制度は20年経っても実現していないが解雇は現実に金銭解決しているのになぜ立法化できないのか解雇無効判決といえども実際は金銭解決になってしまう理由解雇規制が立法されなかったために金銭解決が困難に民事訴訟法の訴訟物理論が原因?4 移る権利・移らない権利気がつけば別会社に!元の会社に残されるのが最大の悲劇第3章 賃金-ヒトの値段、ジョブの値段一 生活給を「能力」で説明した年功賃金の矛盾1 職務評価による固定価格がジョブ型賃金職務評価はヒトの評価ではない職務評価は男女平等の武器に2 生活給から「能力」主義への曲がりくねった道軍人が生活給を提唱し労働組合が生活給を作り上げ経営側が職務給を提起し政府も職務給を唱道したが経営側が職務給をやめた「能力」主義で決着3 下がらない「能力」の矛盾とご都合主義の成果主義「能力」はスキルと異なる不可視の概念下がらない「能力」の幻想「能力」と情意の人事査定ご都合主義の成果主義二 日本版同一労働同一賃金という虚構1 非正規労働者の均等・均衡処遇政策同一労働同一賃金に「踏み込む」だって?同一労働同一賃金はジョブ型社会の原則身分による賃金制度の違いを前提にした均等・均衡処遇政策日本型正社員を法律に書き込んだ改正パート法2 同一労働同一賃金という看板を掲げた政策過程の裏側常識外れの立法政策職能給への統一を目指した水町理論?「注」が全てのガイドライン踏み込む前も踏み込んだ後もほとんど変わらない同一労働同一賃金三 家族手当と児童手当の間1 家族手当の展開生活給の精髄としての家族手当家族手当を守る労働組合2 児童手当の曲がりくねった細道ジョブ型政策としての児童手当メンバーシップ型感覚から攻撃される児童手当3 矛盾に満ちた家族手当賃金二分説と家族手当家族手当の男女差別間接差別としての家族手当根を張り続ける配偶者手当第4章 労働時間-残業代と心身の健康のはざま一 残業代とエグゼンプションの迷宮1 労働時間とは残業代と見つけたり残業代ピンハネ批判ばかりの労働時間論議日本的な労働時間法理恒常的残業は雇用維持の安全弁雇用維持>労働時間規制という本音過労死認定基準の労働時間規制2 適用除外制度をめぐるねじれた経緯ジョブ型社会の管理職メンバーシップ型が求めるスタッフ管理職企画業務型裁量労働制とホワイトカラー・エグゼンプション高度プロフェッショナル制度をめぐる奇々怪々3 月給制と時給制の一体化時間外手当とは何か?戦時体制下の工員月給制ホワイトカラーとブルーカラーの一本化4 管理職は職種か処遇か管理職も職種である平等社会のアイロニー二 本当のワーク・ライフ・バランス1 夫と妻のワークライフ分業ガンバリズムの平等主義夫と妻のワークライフ分業2 迷走するワーク・ライフ・バランス女性専用のワーク・ライフ・バランス女性総合職の矛盾長時間労働がデフォルトルールいのちのワーク・ライフ・バランス、生活のワーク・ライフ・バランス3 転勤という踏み絵正社員に転勤拒否権はない配慮しろというけれど三 過労死防止のパラドックス1 残業規制の源流は過労死裁判過労死認定基準の労働時間規制過労死が認められるまでメンバーシップ型の職場健康診断職場健康診断を基軸とする過重労働対策2 健康とプライバシーのはざま健康情報は機微な個人情報プライバシーを会社に委ねていいのか?安全配慮とプライバシーのトレードオフ四 メンタルヘルスの迷宮1 メンタルヘルスのパターナリズムとプライバシー過労自殺も裁判から労災認定基準へメンタルヘルスでプライバシーと激突してストレスチェックへ使用者責任追及がパターナリズムを強化する皮肉2 メンバーシップ型はパワハラの培養土ハラスメントは世界共通の問題だが日本特有の善意のパワハラ第5章 メンバーシップの周縁地帯一 女性活躍というけれど1 女子は若いのに限る-花嫁候補のOLモデルOLは結婚までの短期的メンバーシップOLは男性正社員の花嫁候補2 ジョブの平等、コースの平等総合職、一般職という職種ジョブ型社会の男女均等3 ジョブなき社会の女性活躍女性管理職割合30%目標は達成困難だが何でもありでやれてしまう面も二 障害者という別枠1 メンバーシップ型になじまない障害者雇用障害者差別禁止が空振りになるわけ障害とスキルと「能力」の関係2 発達障害と躁鬱気質のパラドックス空気が読めない発達障害者気が利きすぎる躁鬱気質の悲劇三 ローエンド外国人-サイドドアからフロントドアへ1 サイドドア型外国人労働者導入政策雇用許可制失敗の要因二つのサイドドア2 サイドドアからフロントドアへ奇怪な研修・技能実習制度ようやくまともな技能実習法ができたが特定技能というフロントドア四 ハイエンド外国人の虚実1 ジョブ型「技人国」在留資格とメンバーシップ型正社員の矛盾「技人国」はジョブ型の制度だがメンバーシップ型の常識に道を譲るアルバイト留学生という単純労働力2 専門職はどこまで高度か高度専門職の水増し介護は専門職だけど介護は技能労働でもある第6章 社員組合のパラドックス一 企業別組合-労働組合だけど従業員代表1 ジョブ型社会の労働組合と従業員代表労働組合の原点はトレイドジョブで団結し、交渉する労働組合職場で協議する従業員代表機関片翼だけのアングロサクソン労使関係2 事業一家の覇者交替産業報国会から企業別組合へ階級闘争という名の社内奪権闘争3 戦後日本社会の設計図生産管理闘争から生産性向上運動へ企業民主化試案労働組合は企業のインサイダー4 労働争議の蔓延と絶滅労働争議が家族争議になる日本労働争議の絶滅と個別労働紛争ネガフィルムとしてのコミュニティ・ユニオン二 従業員代表制は転機になるか?1 企業別組合から排除された人々労働者の大部分は団結とも参加とも無縁非正規労働問題の解法は集団的労使関係にあり?実を結ばない従業員代表制の提起管理職は使用者の利益代表者か?管理職ユニオンという不思議な存在2 1949年改正の隠れた意図管理職を組合から引き離す経費援助のパラドックス3 企業別組合と従業員代表制の複雑な関係連合の労働者代表法案企業別組合の内部的機能分離論既に現実問題の公正代表義務参考書
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