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2021年7月27日 (火)

同一労働同一賃金のジョブ型理解と非ジョブ型理解

587880 『労働法律旬報』の7月下旬号(1988号)に、遠藤公嗣さんの「正規・非正規の「同一労働同一賃金」と職務評価について」という講演録が載っています。

https://www.junposha.com/book/b587880.html

中身は、遠藤さんがこれまで繰り返し説き続けてきたことではありますが、その中に、ややトリビア的ですが労働法政策史の観点からコメントしておきたいこともあります。

一つは、日本政府、特に労働省が設置当時から正確な理解をしていたという点です。それ自体はその通りだと思いますが、それを初代婦人少年局長山川菊栄という個人のゆえというのは、間違っていないとしてもややずれているように思います。むしろ、1970年代以降の日本型雇用礼賛時代よりも前の時代には、政府も経営側も素直にジョブ型の枠組みでものごとを考えていたことの現われと見た方がいいのではないでしょうか。

1967年にILO第100号条約を批准するときの国会審議録は、私も何回か引用したことがありますが、まさに素直にジョブ型の枠組みで語っていて、その後のスタンスとはきわめて対照的です。

この時代に、労働運動の国際連帯の都合上、口先では同一労働同一賃金を謳いながら、実際には職務給絶対反対を叫んでいたのが労働運動でありとりわけ総評でした。

その配置状況が、1970年代以降はがらりと、でもなく、ずるりとねじれて一見不可解な対立しているようで実は対立していない訳の分からない対立図式にシフトしていくのです。政労使みんな実は職能給で一致している中で、ハイエンドの成果主義とかローエンドの均等待遇といった局部的なところでだけごちゃごちゃ言っているという世界です。

遠藤さんが批判的に引いている労働法研究者や労働運動研究者の理解というのも、結局はそういう全体の枠組みの中での話なので、それだけを取り出して論じてみてもあまり意味がないように思われます。

今回の働き方改革におけるいわゆる「同一労働同一賃金」も、紆余曲折の結果そういう枠組みの中に相当程度回収されてしまいました。この辺については、再来月刊行予定の『ジョブ型雇用社会とは何か?-正社員体制の矛盾と転機』(岩波新書)でやや詳しく論じる予定です。

 

 

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●遠藤公嗣の八王子研究室
 http://jbaaijbaci.xsrv.jp/

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