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2021年7月 7日 (水)

石田眞「フリーランスの保護をめぐる労働法と競争法」@『労働法律旬報』No.1987(7月上旬号)

586885 『労働法律旬報』No.1987(7月上旬号)の巻頭言に、石田眞さんの「フリーランスの保護をめぐる労働法と競争法」が載っています。見開き2頁の決して長くないエッセイですが、わたしが『季刊労働法』272号に書いた「フリーランスと団体交渉」と同じ思いを示していて、うれしくなりました。

https://www.junposha.com/book/b586885.html

・・・労働法上の労働者に該当するフリーランスを含め、フリーランス全般に対し競争法が適用されるとする『ガイドライン』の基本的な考え方は、労働組合法の歴史が競争法(独禁法や「営業制限の法理」)との血みどろの闘いであったことを想起するとき、歴史を逆転させかねない危険性を孕んでいる。『ガイドライン』を前提とすると、「独占禁止法は右手に『不当な取引制限』、左手に『優越的地位の濫用』という武器を持っている」とする濱口桂一郎氏の指摘は、『ガイドライン』における労働法と競争法の関係の危うさを端的に示している。・・・

・・・もし、独禁法の「左手にある『優越的地位の濫用』という武器」がフリーランスの保護に十分な役割を果たせず、「右手にある『不当な取引制限』という武器」のみが残ったとしたら、フリーランスの運命はいったいどうなるのであろうか。

この問題に、あまり発言する方が見当たらないのは、正直不思議です。

Dio3661_20210707140501 私の見た限りでは、藤木貴史さんが連合総研の『DIO』5月号に書かれた「 「クラウドソーシング」をめぐる労働法の課題−集団的労働法による対応に向けて−」が、

・・・・しかし、少なくとも労働法の歴史において、「労働組合は本質的に競争法の敵25」であった。同ガイドラインが、PFワーカーの保護に負の影響を与えないか、真剣に考える必要がある。

と触れていた程度です。

https://www.rengo-soken.or.jp/dio/dio366.pdf

 

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コメント

ご無沙汰してますが、いつも愛読者として勉強させていただいてます。今回,DIOの藤木先生の論考に以下の内容の手紙を送り、その後連絡を取ることになっていますので、読んでいただければ幸いです。「「Ⅱ労働組合による対応」の「PFワーカーらによる集団的な自主的規範形成の道を確保」と「雇用=企業包摂型の就労とことなるがゆえに、集団的労使関係への参画が一層重要」との問題解決の核心的な提案について、私どもが長年取り組んでいる職安法で唯一認められている「労働組合の労供事業」を参考にしていただきたいと思います。
この点については、次に寄稿されている沼田雅之氏の「クラウドソーシングは、クラウドソーシング事業者、発注者、ワーカーの三者間取引」という記述は、
まさに職安法で原則禁止とされている「労働者供給事業」と同じ形だとおもいます。また、雇用保険や健康保険などの適用については「日雇雇用保険と日雇特例健康保険」を労働協約を結ぶことで供給先事業所に適用させています。
まさに労働組合だけに認められている特権ということで、「連合のネットワーク会員制度」と同時に「労働組合の労供事業の周知徹底と活用を図る」と連合の運動方針としても初めて認められています。
実は、派遣法制定反対の労働組合運動の中で、私鉄総連、運輸労連、電算労、全港湾他多くの労働組合が労供事業の許可を取っていましたが、最近ではJAMが許可を取り、外国人労働者の組織化と待遇改善に取り組んでいます。
また、龍谷大学の名誉教授の萬井隆令名誉教授とは、私どもの一昨年来の厚労省交渉をきっかけに労働法学の専門的な分析、提案をいただいているところです。もし関心があるようでしたら、改めて資料としてメールすることができますのでヨロシクお願いいたします。」

こちらこそご無沙汰しています。

プラットフォーム労働の三者間関係を労働者派遣とみなすべきという考え方は、EUにもあるようで、昨年『国際比較労働法・労使関係雑誌』に載ったアニカ・ロシンさんの「Applying the Temporary Agency Work Directive to Platform Workers: Mission Impossible?」(プラットフォーム労働者に派遣労働指令を適用する:不可能なミッションか?)なども参考になります。

https://kluwerlawonline.com/journalarticle/International+Journal+of+Comparative+Labour+Law+and+Industrial+Relations/36.2/IJCL2020009">https://kluwerlawonline.com/journalarticle/International+Journal+of+Comparative+Labour+Law+and+Industrial+Relations/36.2/IJCL2020009


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