広田照幸『陸軍将校の教育社会史』(上)(下)
広田照幸さんの『陸軍将校の教育社会史─立身出世と天皇制』(上)(下)(ちくま学芸文庫)をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480510532/
戦時体制を支えた精神構造は、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」だった。第19回サントリー学芸賞を受賞した教育社会史の傑作が、待望の文庫化!
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480510549/
陸軍将校とは、いったいいかなる人びとだったのか。前提とされていた「内面化」の図式を覆し、「教育社会史」という研究領域を切り開いた傑作。
文庫版まえがきによると、サントリー学芸賞受賞後某有名出版社から新書のオファーがあったのを断ったのを悔やんでいたそうです。
新書のメリットは、ごく普通の読書人の目に触れるようなレベルの駅前書店にも、少なくとも次の本が来るまでは置いてもらえることで、本書原著のような零細出版社の学術書になると、よほどの都心の大書店でないとそもそもおかれることがなく、よほどその分野に関心のある人以外には存在自体がなかなか知られないんですね。
こういう現代の名著をしっかりと収録するという点において、ちくま学芸文庫のこころざしは高いというべきでしょう。
本書の中身については、改めて別の場所で論じたいと思います。
« 左右の全体主義 | トップページ | インクルーシブ教育の落とし穴 »
コメント