『季刊労働法』2021年夏号(273号)
来週刊行される『季刊労働法』2021年夏号(273号)の内容が、労働開発研究会HPにアップされています。
https://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/9499/
特集:最高裁5判決とパート有期法8条
夏号では、昨年10月の最高裁5判決とパート有期法8条を特集します。研究者による鼎談、論稿に加え、労使の弁護士、そして労使団体がどう今後を展望するか。近未来の針路を示す内容です。鼎談・最高裁5判決とパート有期法8条 早稲田大学教授(司会) 島田 陽一・東京大学准教授 神吉 知郁子・明治大学法科大学院教授 野川 忍
有期・パート労働者の均衡待遇を考える―2020年最高裁5判決/パート・有期法の施行を受けて― 同志社大学教授 土田 道夫
労契法20条最高裁5判決の評価と労使への影響~本当に格差是正につながるのか? 新法施行による均等均衡待遇実現の行方 弁護士 棗 一郎
最高裁5判決、パート・有期法8条の意義と課題―使用者側弁護士の立場から 弁護士 向井 蘭
旧労働契約法第20条に関する最高裁判決と労働組合の取り組み 日本労働組合総連合会労働法制局次長 菅村 裕子
均等・均衡規定(同一労働同一賃金)への対応―使用者側の立場から― 一般社団法人日本経済団体連合会 労働法制本部長 鈴木 重也
さすがに労働法の専門誌であって、旧労契法20条の最高裁5判決と、働き方改革によるパー有法8条はきちんと分けていますし、同一労働同一賃金というミスリーディングな表現は鈴木さんのタイトルの中にカッコ書きで出てくるだけです。
●第2特集では、米英独仏などを対象に、男女同一賃金、性差別禁止の規定、妊娠出産の取り扱い、セクハラに重点を置きつつ、その研究を踏まえて、日本の法政策のあるべき姿を探求します。
本特集「男女雇用平等法制の再検討」の趣旨 一橋大学特任教授 中窪 裕也
アメリカにおける男女雇用平等法理の展開―ジリアン・トーマス氏の著書を手がかりとして 一橋大学特任教授 中窪 裕也
イギリスにおける「性」関連差別の禁止―「性」差別の概念整理のために 久留米大学教授 龔 敏
フランスにおける男女間の職業的平等法制の構造と展開 九州大学名誉教授 野田 進
ドイツにおける男女賃金格差是正の法理―賃金透明化法の制定までの展開と残された課題― 学習院大学教授 橋本 陽子
性差別禁止とライフコース―スウェーデン法を中心とする比較法的検討 慶應義塾大学教授 両角 道代
中国における男女雇用平等法の展開と課題 中国華東政法大学講師 鄒 庭雲
間接差別、ポジティブ・アクション、セクシュアル・ハラスメントの明確化に向けての一試論 上智大学教授 富永 晃一
それ以外の記事は以下の通りですが、
■論説■
従業員代表制の常設化と労働組合機能(下)北海道大学名誉教授 道幸 哲也
船員の働き方改革と船員関連法改正―労働時間と良好な海上労働環境の保持に向けた取り組みを中心に 日本大学教授 南 健悟■イギリス労働法研究会 第36回■
18世紀北アメリカにおける黒人奴隷制の展開(1)―アメリカ独立革命が奴隷制に与えた影響と深南部における奴隷制の維持・拡大― 駒澤大学准教授 向田 正巳■労働法の立法学 第61回■
労働者協同組合のパラドックス 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口 桂一郎■判例研究■
無期転換申込権発生前の担当業務移管に伴う雇止めの有効性 バンダイ事件(東京地判令和2年3月6日労経速2423号10頁)弁護士 千野 博之■重要労働判例解説■
学部廃止に伴う大学教員に対する整理解雇の相当性 学校法人奈良学園事件・奈良地判令2・7・21労判1231号56頁 日本大学教授 大山 盛義
偽装請負と労働者派遣法の労働契約申込みみなし制度適用の有無 日本貨物検数協会(日興サービス)事件・名古屋地判令2・7・20労判1228号33頁 日本大学法科大学院非常勤講師 小宮 文人
わたくしの連載は、昨年成立した労働者協同組合法について、過去に遡っていろいろと突っついています。
1 労働者協同組合とは何か?
2 民法上の組合
3 企業組合
4 失業対策事業の終息の中から
5 生協からワーコレへ
6 労働者協同組合法案の有為転変
7 2010年の法案
8 労働者協同組合法の成立とパラドックス
9 労協組合員の労働者性
10 労働者協同組合の悪用とその是正
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