『情況』2021年春号
kiryunoさんこと服部一郎さんより、『情況』2021年春号をお送りいただきました。
『情況』はブント系の新左翼雑誌ですが、前にお送りいただいた号は、桝本純さんを偲ぶ記事とか、まあわたしにもかかわりのある内容のあるものですが、今回は「国防論のタブーをやぶる」とのことで、表紙にも「これは防衛省の広報誌か、それとも暴力革命の合図か?」なんて宣伝してますね。
やはり面白いのは冒頭の鼎談(久間章生×木村三浩×三上治)ですが、事実上、(そこいらのネトウヨとは根っこが違う真正右翼の)一水会代表木村三浩さんと、(自民党きってのまともな防衛族というべきか)初代防衛大臣の久間章生さんの掛け合いが、価値合理的イデオロギー人間と目的合理的リアリスト人間の噛み合わない噛み合いぶりをものの見事に浮き彫りにしていて、大変面白かったです。例の普天間基地の移設の問題についてのやりとりですが、
木村 アメリカと本気になって交渉しなきゃだめでしょ。
久間 本気で交渉してもダメだった。ダメなものはダメなんですよ。俺がやってダメだったんだから誰がやれるかって。沖縄でつい本音で言ってしまったことがあるんだよ。アメリカの兵隊沖縄に駐留させてるというのは、アメリカは安保条約というけど本気で最後まで血を流すかどうかわからんぞと。アメリカ兵が死んで初めて流す。あるいはアメリカの基地が沖縄にあれば、中国から攻撃を受けた時、そこの兵隊が一人でも二人でも死んだらアメリカはワーッと盛り上がる。
三上 じゃあ、「人質」っていうことですね。
久間 人質という言葉を使っちゃいけないけれども、これはここだけの話だけれども、人質に置いているんだと。そう思えば腹も立たんじゃろ。私は合理主義者だからそうですよ。・・・
木村 私は自主改憲、やっぱり自衛隊の国軍化しかない。外交力もつける。
久間 あなたね、そう言うけど、日本人で自分の血を流して守ろうというやつがこれから先どれだけ出てくるか。ますます減ってくるんだから。そうした時にやっぱり人質に置いとってアメリカがワッと出てきて戦うというのはありがたいと思って。・・・
木村 民族主義者の私としては認められない。それは事大主義ですよ。他力本願では国を滅ぼしますよ。
久間 民族主義者っていうのは自分たちの民族がどれくらいの力かっていうのを知った上で民族主義者になればいいんですよ。自分たちの民族だけで勝てるっていうならやればいい。勝てっこない。日本の人口はこれから減っていく。その中で沖縄を維持していくだけのパワーはない。・・・
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