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2021年6月13日 (日)

『労働弁護士「宮里邦雄」55年の軌跡』

24142f60e7e6f0e3bf918796a1e06c30 『労働弁護士「宮里邦雄」55年の軌跡』(論創社)をお送りいただきました。宮里さんといえば労働弁護士の第一人者ですが、その55年にわたる労働弁護士人生を中心にしながら、沖縄の宮古島で育った若き日の思い出などもちりばめられた『ザッツ宮里邦雄』というべき本です。

https://ronso.co.jp/book/%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e3%80%8c%e5%ae%ae%e9%87%8c%e9%82%a6%e9%9b%84%e3%80%8d55%e5%b9%b4%e3%81%ae%e8%bb%8c%e8%b7%a1/

第一部のインタビューがメインですが、インタビュワは全国ユニオンの高井晃、労弁の棗一郎、元連合の高橋均の3人で、す。いきなり冒頭の宮里さんが初めて手掛けた不当労働行為事件の日本教育新聞社事件で、救済命令を勝ち取り、現職復帰を実現するなど完全勝利の事件であったが、復職後職場で孤立し、自殺に追い込まれてしまったというほろ苦い思い出が語られます。

はじめに
第Ⅰ部 インタビューで聞く55年
1 労働弁護士としての遥かなる道
1 最初の不当労働行為事件
2 昭和四〇(一九六五)年代から昭和六〇(一九八五)年代の事件
3 労働運動の内容も時代と共に変化
(1) 一九七〇年代の労働事件
(2) 一九七〇年代の思い出に残る重大事件
(3) 一九八五(昭和六〇)年代以降の労働事件 
(4) 平成(一九八九年)以降現在まで
2 長いたたかいだった「国労問題」
1 マル生反対闘争
2 「スト権スト」と二〇二億円の損害賠償請求
3 国鉄民営分割化と国労への攻撃
3 労働弁護士として生きて
1 弁護士として労働事件に携わる
2 労働弁護士の未来︱︱棗弁護士と労働弁護士の未来を語る
(1) 雇用によらない就業者の労働者性
(2) 新しい就労形態が拡大する中での労働者の保護をどのように図っていくか
(3) 雇用を軽視する制度を認めてはならない
(4) コロナ禍での雇用をどう守っていくべきか
(5) 派遣法とフリーランスという新しい働き方 
(6) 八〇歳を超えても第一線で戦える秘訣
(7) これからの労働運動に求められること
第Ⅱ部 裁判をめぐる随筆
1 ウチナーからヤマトへ
2 沖縄関係訴訟への取り組み
3 最高裁判所弁論(その1)――新国立劇場運営財団事件
4 最高裁判所弁論(その2)――長澤運輸事件
5 わが「労弁」の記
6 ロースクールで「法曹倫理」の講義を担当して
7 強気と弱気――依頼人と弁護士
8 「権利の認知度」と「権利教育」
9 「賃金と貧困」について考える
10 上野裁判の思い出
(1) 提訴とその効果
(2) 広まる支援の輪
(3) 判決の大きな意義
(4) パワハラ訴訟の先駆け
第Ⅲ部 折々の記
1 「自分史」を書く?
2 わがふるさとを語る︱︱沖縄・宮古島
3 ふるさとの味︱︱「ラフテー」は豚肉料理の王様
4 正月――子供の頃の思い出
5 私の幼年時代︱︱シュークリームの甘い思い出
6 蝉しぐれ
7 わが趣味︱︱クラシック音楽
8 映画と名曲喫茶
9 『刑事』(イタリア映画)とラストシーン
10 『チャップリンとヒトラー』を読む
11 忘れ得ぬ酒
12 あの頃、これまで、そしてこれから
13 近況三題
14 近況つれづれ
15 「老兵は死なず、まだ前線にあり」
16 散歩と断捨離 
あとがき
著作一覧  

第Ⅱ部には最高裁における弁論のスクリプトも二つ収録されていて、なかなかの決めの名台詞が載っています。

長澤運輸事件の名台詞はこれです。

・・・「存在するものは合理的である」とはかのドイツの哲学者フリードリッヒ・ヘーゲルのの有名な言葉でありますが、原判決は、「賃金格差は存在する。存在するがゆえに『合理的である』」というのでしょうか。・・・

社会的に広く存在する事実があっても、そしてたとえそれが社会的に容認されているとしても、それが法に照らして許されるかどうかを判断するのが司法の使命ではないでしょうか。・・・

思わず傍聴席から「いよッ、日本一!」と掛け声がかかりそうな名台詞ですが、残念ながら最高裁判事の心を動かすには至らなかったようです。

 

 

 

 

 

 

 

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