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2021年6月26日 (土)

労働組合の資格審査@『中央労働時報』6月号に大内伸哉さんのコメント

Ima_20210626085601 先日、本ブログでも紹介したわたくしの判例評釈(正確には判例じゃなく労委決定ですが)に対して、大内伸哉さんがブログでコメントされています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-b0c70e.html(労働組合の資格審査@『中央労働時報』6月号)

http://lavoroeamore.cocolog-nifty.com/amoristaumorista/2021/06/post-60d866.html(資格審査は必要か)

直接的には、私が大内さんの論文「労働組合の資格審査は必要か-組合自治と行政サービスの効率性の観点からの再検討」(季刊労働法265号)を引用したことですが、その先を読んでいくと、本質的には極めてよく似た認識を持ちながら、ある意味対照的な判断を下しているところが、それぞれのバックグラウンドを彷彿とさせて興味深いと感じさせます。

・・・ところで,濱口さんの立論の面白いのは,労働委員会が実質個別紛争を扱うのは制度の本来の趣旨に合わないということ(これも私が一貫して主張している論点ですが,学会では相手にされていません)から,不当労働行為の救済申立てをするのであれば,外形上,法適合組合の形を整えろと述べている点です。これは,普通の研究者にはなかなか出てこない視点で興味深いです。私は,ここは二段構えの議論で,実質個別紛争はそもそも義務的団交事項ではないし,またかりに義務的団交事項となるとしても,個別の紛争なので,労働組合の自主性や民主性といった資格審査でチェックするような内容は関係ないから,やっぱり資格審査は不要だということになります。濱口さんは,不当労働行為審査で実質個別紛争を扱うのはイレギュラーだけれど,それを扱っているという現実をみているのです。私の見解は,実質個別紛争を拒否しても不当労働行為とならないので,「申立人の主張する事実が不当労働行為に該当しないことが明らかなとき」に該当して却下すべきであるという議論になるのです。濱口さんとは全然ちがうことを言っているようですが,たぶん考え方の根本は同じなのではないかと思います。要するに,実質個別紛争を不当労働行為事件で扱うな,扱おうとすると,いろいろ問題が出てくる,ということです。・・・

本来集団的紛争を扱う労働委員会が(個別紛争用の制度ではなく集団紛争用の制度において)駆け込み訴えという実質個別紛争を取り扱うのは本来の趣旨に合わないという認識において共通しつつ、

大内さんはそれを資格審査によって撥ねるのではなく、そもそも不当労働行為に当たらないという実質論で撥ねろ、資格審査は無用であるという筋論を唱えます。いかにも大内さんらしい孤高の筋論です。

私は、そうはいっても49年改正以来企業内少数派組合の訴えも認める形でずっときている以上、企業外ユニオンを撥ねる理屈はなく、ぎりぎり理屈を突き詰めれば組合の民主性を持ち出すしかないだろうと思うわけですが。

最後に佐田事件をちらりと持ち出したことについて、

 一般論として,労働組合の活動資金は企業からの協賛金でまかない,労働者からは不徴収とし,協賛金を出してくれているスポンサー企業との関係では,ものわかりのよい労働組合となって,戦闘的な組合の防波堤になり(company union),他方,協賛金を出していない企業との関係では,紛争があれば無料で労働者からの申込みを受け付けて,団体交渉をして和解金を得て,その手数料はしっかり取るというようなビジネスは,これはやはり問題があると言わざるを得ないでしょう。Company unionへの資金提供は経費援助になるのです(不当労働行為)が,それ以上に,こうした労働組合に対して法がどういう対応ができるかはよくわかりません。
 資格審査をして,資格を否定して不当労働行為の救済手続を利用させないというだけでは十分ではないでしょう。その活動自体は阻止できないからです。・・・・・

とのべておられるのも、いかにも大内さんらしい突っ込みです。本評釈はあくまでもグランティア事件の評釈なので、佐田事件からもたらされるそういう論点についてはそれ以上突っ込んでいませんが、考える必要のある論点であるのは確かです。

 

 

 

 

 

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