鶴光太郎『AIの経済学』
鶴光太郎さんより新著『AIの経済学 「予測機能」をどう使いこなすか』(日本評論社)をお送りいただきました。
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8537.html
AIは我々の仕事を奪うのか? それとも頼もしい味方なのか? AIが経済社会に与える影響と可能性を、身近な事例で平易に解説。
先日書評を書いたフレイの本のフレイとオズボーン論文以来、AIと雇用は世界で注目される論点ですが、本書は上の書影の帯にあるように、「過度な悲観論を超える」ことを訴えています。
下の目次にあるように、とても広範な分野に渡って見通しよく解説しており、物事を考える上でとても参考になります。
ただ、AIで職場の何がどう変わるのか?といった労働業界的な関心からすると、やや突っ込みが足りない気もしますが、まあ200ページ足らずで全体像を概観している本なので、それはまた別の本で、ということでしょう。
序章 なぜ、「AIの経済学」なのか
本書の問題意識
本書の目的
本書の概観
第1章 AIとは何か――機械学習(深層学習)が生んだ革新
第1節 AIの本質とは
第2節 AIの具体的な活用事例の分類
第3節 AIと他の新たなテクノロジーの比較
第2章 AIで雇用はどうなる――悲観論を排す
第1節 新たなテクノロジーは職を奪うのか
――これまでの常識とAIの非常識
第2節 AIの雇用への影響
――経済学はどこまで接近できているのか
第3節 AIと人間との補完的な関係の構築
第3章 AIでスキルが変わる――「AIコーチ」の役割
第1節 学校教育に革命を起こす「AIコーチ」
――AI活用型アダプティブ・ラーニング
第2節 スポーツにおける「AIコーチ」
第3節 棋士の棋力を高め、将棋ブームをけん引する将棋AI
第4節 ビジネスの現場で活躍する「AIコーチ」
第4章 AIで企業戦略・ビジネスが変わる
――「パーソナライゼーション」と
「ダイナミック・プライシング」の衝撃
第1節 経済取引(売買)による利益とは何か
――価格差別戦略の重要性
第2節「パーソナライゼーション」が有効な分野・産業
――教育、医療、金融
第3節 ダイナミック・プライシング
――AI活用型価格差別戦略の本質と具体例
第5章 AIで産業が変わる
――農業・畜産業、建設業の大変身
第1節 AIで変わる農業
第2節 AIで変わる畜産業
第3節 AIで変わる建築・建設業
第6章 AIで公共政策が変わる
――政策の有効性向上への挑戦
第1節 データ駆動型政策立案(DDPM)に向けて
第2節 データ駆動型政策立案(DDPM)の事例
第3節 データ駆動型政策立案のターゲティング政策への応用
第7章 コロナ危機で奮闘するAI
第1節 新型コロナウイルス感染症に直接関連するAIの活用事例
第2節 社会統制に関わるAIの活用事例
終章 AIと人間が豊かな未来を築き、共存するために
――AIのための経済政策と求められるスキル・
能力・人材育成とは
第1節 AIのための経済政策
――その普及と影響にどう対処すべきか
第2節 AIにできないこと
第3節 AI時代に必要なスキル・能力
第4節 AI時代の人材育成のあり方
おわりに
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