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2021年2月22日 (月)

『日産・ルノー アライアンス オーラルヒストリー』

27210 八代充史・井原久光・牛島利明・梅崎修・島西智輝・南雲智映・山下充編『戦後労働史研究 日産・ルノー アライアンス オーラルヒストリー グローバル提携時代の雇用・労使関係』(慶應義塾大学出版会)をお送りいただきました。

https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766427219/

これ、もしかしたら見た記憶がある方もいるかも知れません。

一昨年に、報告書(非売品)の形でまとめられていたものの市販本です。その時のエントリはこちらですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-c70a.html

いままさに日産とルノーの関係の行方にみんなが固唾をのんでいるときに、こういうオーラルヒストリーを世に送るというのは、あまりにもはまりすぎているというべきなのか、まずい時に当たってしまったというべきなのかわかりませんが、ゴーンが引っ提げてきた日産=ルノーアライアンスが始まったころの証言の数々は、大変興味深いものです。

本書の「はじめに」でも、そもそもこれはゴーンのサクセスストーリーでも、その逃亡劇でも、社内政治話でもないと、くどいくらいに断っています。

それでも、報告書に登場した8人のうち2人が脱落して、本書では6人になっています。解題でもその2人分は削られていますね。

 

 

 

 

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コメント

以下引用は平成25年の懐かしい某審議会報告書の最終パートです…。

ーーーーー
(赤石日本経済再生総合事務局次長)
お話をお伺いしていると、ジョブ型とメンバーシップ型の違いがとても大きく、日本と欧米ですごい差があって入口が違うと何度かおっしゃっていたが、もしよろしければ 欧米型の判例ではなく、契約がどうなっているか追って教えていただきたい。他方、長 谷川主査がおっしゃるとおり、日本の場合は、最初からジョブディスクリプションを書 くのが論理必然的に結構難しいところがあるので、そこをどう変えたら欧米型に移行で きるのかというところを勉強したい。

(濱口総括研究員)
どこをどう変えたらというのは、それはむしろ欧米のいろいろな人事管理のものがいっぱい出ているので、問題はむしろそういった技術的な話ではなく、そもそも人事部が そんなことを言われたからといってすぐにできるか。先ほど人事部が岩盤だという言い方をした。しかし、人事部には人事部の言い分があ って、まさに自分たちが何でもやるような形で社員たちを回してきたがゆえにかつての 日本はこれだけの競争力を示してきたのではないか、たまたまここ10年ほど少しうまく いっていないからといってそれを全部否定するのかと人事の方々は思っているだろう。 むしろ問題はそこだと思う。そう簡単に人事の方々が変わるとは思わないが、もしそれ が変わるとなれば、具体的にどのように書くかについては、教科書のようなものは幾ら でもある。しかし、おそらくそうはいかないだろう。

むしろ問題は、人事部の方々がどうお考えになるかというところにある。実は役所な どはほとんど何の役にも立っておらず、端の方から雇用調整助成金で応援しているだけ。 労働組合も実は企業別組合はその上に乗っているだけ。このメンバーシップ型の仕組み を、がちっと作って動かしているのは、間違いなく人事部の力だと思っている。  (引用完)

ーーーー
当時から早8年、岩盤規制の大元であったところの日本の名だたる大企業の「人事部」がようやく永きに亘る平成泰平の眠りから目覚め〜勢い余る日経新聞記事のハリケーン加勢を得ながら〜相転移にどっと動き始めました。

全国的にもこうして日本企業〜その人事部が(人財だか人材だかいずれにせよ)あるべきジョブ型導入に向けて全国的に動き始めた以上、当ブログあるいはhamachan先生にこれから期待される新たな役割は、やはり用語の生みの親としての役割〜日本雇用社会の行き着く先のナビゲーション、船頭役としての正しいラダーリング(操舵)指南かと〜。

よかれあしかれ日本丸が大いなる帆を掲げて太平洋ジョブの大海原に進み出た以上、予期せぬ波乱のタイフーンで日本近海あたりで早々と座礁せぬよう、小船ながら某米系IT丸の小職も側から双眼鏡でしっかりとwatchしていきますので。

人事マンさん

ジョブ型が”あるべき”と豪語される根拠を知らしめていただけら・・・その先に何があるのですか?
自己のソリューショニズムに親和するエントリに、いささかはしゃぎではないでしょうか?
貴殿ならばおわかりと思われます。

はしゃぎすぎ....そのように見えてしまったのであれば、久しぶりに書き込んだせいか、やはり言葉足らずで迂闊(実は寝不足⁉︎)だったのでしょう、その誤解を少しでも解いておきたいですね。

小職が言う「あるべきジョブ型」の導入というのは…、ジョブ型と称される一種の理念なり理想的な雇用システムや人事制度の追求です。もちろん現実的には世界中のどんな(ジョブ型)企業であっても個別企業ごと様々な問題を抱えてますので、逐次改良や定期的なメンテは必要でしょう。が、少なくとも現時点において多くのメンバーシップ型日本企業で課題と認識されている同時代の経営環境に合わせた変革なり制度変更は、カギ括弧なしの本来のジョブ型のベクトルへ向かう変更〜日本の労働法が依拠し前提とするはずの雇用関係のあり方への修正(あるいは回帰)と理解してます。個別企業においてはそうした変更をどの程度までどのスピード感で進めていくかという点でギャップがあるにせよ、過去半世紀と同じように次の半世紀も来た道をそのまま辿って(すなわちメンバーシップ型で)このまま乗り越えていけると考えている日本企業が多いとは思えません。その意味では、俄かにブームが起こっている現状は、その内容がどうであれ、ブームの発生そのものとそれを起こした危機意識に間違いはないと思います。

その先に何があるのか?…果たしてこの問いに自信を持って答えられる人がどれだけいるのでしょうか。おそらく医療の世界でも同じかと思いますが、患者に問題や症状が診断されたら治療方針と治療計画を作って対処するように、経営組織においても新たな環境下で難題に直面すれば、世界中を見渡した上で現状の課題を認識しその対策を打つというステップです。その取り組みを部外者が外からどうこう言うことはおかしいですが、雇用と人事システムの方向性としては、現状の新卒採用偏重の内部労働市場システムから、より多様な外部の人たちに解放していく方向への修正を後押しする変更〜その一つのオーソドックスなあり方がジョブ型なのです、少なくとも私はそう理解しています。

追記)hamachan先生のちくま新書、先週末にようやく完読。興味深くわかりやすく、現代的な問題意識に沿って著作が紹介されています。ただ、本書を読んだとしても多様で複雑な現状を歴史的に概観することはできても、将来に向かって何をどうすればよいかはやはり謎のままですね。

人事マンさん

私も全文同意します。

メリトクラシーを好物とした妙なジョブ議論で一部が賑やかになっても・・・ですよね。
そうした意味では図らずも生みの親となってしまわれたhamachanの使命はおっっしゃる通りだと思います。

寝不足は免疫低下をもたらしますのでご時世柄ご養成ください。

人事マンへもう一言

新卒偏重は大学ビジネスの裏腹です。
初等・中等教育の問題に踏み込まなければなりません。
当人も保護者も現況前提で、前者は目標を持って、後者は教育投資を行ってきたのですから、革命よろしく「替わりましたから」ではすみませんね。
社会もその前提で長期の個人債務を内需として設計されているのですから・・・闇は深いと思われます。
医療に関しては、ミクロではカスタマイズできる時代に入りました。
ただし、患者家族含めたマクロ解はこのブログに参加されるみなさまとともに集合知で解を得ることしかありません。

Kihchanさん、上述の「新卒採用偏重」について、小職の視点から思うところを手短に二点ほど。

1、今後、大企業がジョブ型へシフトした結果、新卒採用枠を大幅に減らしたとしても、他方で、日本の中堅/中小企業での新卒採用需要は依然高い(大企業が絞った分、中小企業に採れなかった人材が受けに来る)〜彼らの中にはそこで鍛えられ実力を付けた後、いつか大手企業の門を叩く人も出てくるはず。

2、経営学の意思決定基準の一つに「Make or Buy」decision がありますが、企業が不足する人材/スキルを調達するに際し、多くの若手新卒を採用し長期間人材育成してでも社内でじっくり「作る/内製化」(Make)するのか、あるいは、労働市場から即戦力の出来上がった人材を速やかに外部調達/採用する(Buy)するのか(昨今の合併/吸収もその一環)。企業における人材/スキル獲得の手段は大きく分けてその二通りです、その割合の按分を軌道修正していく際の上手い方法論がジョブ型ということかと。

以上、取り急ぎ。

人事マンさん

1.は世俗の大学ランキングに影響が及び、結果志望校選びから大学改革に繋がる可能性があり、やる気がある中堅(中等教育時点でトップへ届かない学生とそれの受け皿となっている中堅大学)どころには朗報となりますね。
2.は1のその後のスキルアップできた自らがトップに追いつき追い越す可能性すらある社会として描かれてますので、そうなれば就職時で固定化(終了)する現在の将来閉塞感をブレークスルー出来るかもしれませんね。
ありがとうございました。

hamachanには妙なやりとりを繋いでいただきお礼申し上げます。

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