ボクちゃんだけが真実を知ってる症候群第2弾
先日、光秀がそろそろ信長殺しにかかりそうなので、若き日(中二時代)の黒歴史を恥ずかしながら公開しましたが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-b498ba.html
要するに、「ボクちゃんだけが真実を知ってる症候群」なんだけど、クラスの半分くらいが不良や不良予備軍みたいな公立中学校の大したことのない目立たぬ二年生のぼうやが、なぜかほかの生徒や教師も読んでなさそうな八切止夫の歴史モノに嵌まってしまい、『信長殺し、光秀ではない』とか『上杉謙信は女だった』とか『徳川家康は替え玉だった』とか、もう何十冊も読みふけって、これこそほかの馬鹿どもが知らない歴史の真実だ!!と思い込んでしまったわけです。で、挙げ句の果てに、その公立中学校で社会科の教師をしている可哀そうな先生に、「あなたの教えているのはうそばっかりだ、歴史の真実はここに書いてあるから勉強するように」などと、めんどくさいことを言ってたんだから、まあ恥ずかしい話です。わが黒歴史。・・・
この際だからついでに、同時期にもう一つの壮大なオルタナ歴史に入れあげていたことも告白しちゃいましょう。こちらは、今やほとんどだれも顧みない八切止夫と異なり、今日に至るまで脈々とつながり、いまだに信者が絶えないオルタナ歴史です。
それは、「古史古伝」と呼ばれる一群の偽書なんですが、富士古文書から始まり、ウエツフミだの、竹内文書だの、ホツマツタヱだの、まあいろいろあります。
これもやはり、公立中学の目立たない二年生だったころ、たまたま本屋で見かけた大陸書房の(ここで、「おっ、大陸書房かよ」と突っ込みを入れるのはなし)、鈴木貞一『先古代日本の謎』という本に見事にはまってしまい、神武天皇以前にウガヤフキアエズ朝が何十代もあったんだ、日本は他に負けないくらい古い古代文明の国なんだとか、しばらく熱中していたんですね。
なので、こういうオルタナ歴史に嵌まる精神構造というのは、自分自身も中二時代にそうだった経験があるだけによくわかるところがあります。
前のエントリで書いた通りなんですが、
まあ、そんじょそこらの中二のぼうやに比べりゃ、大人向けの歴史モドキの本を山のように読んでるだけで遥か認識の高みに上ったつもりになってるんだけど、そもそも歴史学ってのは、まず史料ってのがあってだな、ということがわかってない厨房だから、たまたま自分が読んだ活字がそのまま真実だと思い込んじゃう。そういう典型的なメカニズムを、中二時代にある意味一番いいサンプルで経験したもんだから、このあほだら踊りをしている人々の精神構造がじわじわわかってしまうところもあったりするわけです。
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コメント
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ノストラダムスもしかりで
雑誌ムーの洗礼を若い内にうけている
とか
プロレスを「プロレス」として楽しめるようになった
とか
そういうものを過ぎるといいんですが
そういう経験ないと
いいとしして
ネットde真実
路線にいきやすいのではないかと。
なれのはてがJアノンになっちゃうのかなと。😅
投稿: ほぺいろ | 2021年2月 4日 (木) 19時22分