「労働者保護」と「ビジネスの成長性」のバランスが焦点にーギグワーカー
ADECCOの「Power of Work」に、インタビュー記事「「労働者保護」と「ビジネスの成長性」のバランスが焦点にーギグワーカー」が載っています。
https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/187
私と山田久さんが登場して喋っていますが、私の部分は以下の通りです。
「ギグワーカー」とは、ネット経由で単発の仕事を請け負う働き手を指す。Uber(ウーバー)に代表されるシェアリングサービスや、ネットを通じて仕事を受発注するクラウドソーシングの普及に伴い登場した働き方だ。コロナ禍で外出自粛が求められるなか、料理宅配サービスなどのニーズが急拡大し、ギグワーカーも世界的に増えている。新たな雇用の受け皿になるとの期待がある半面、課題となっているのが労働者保護の枠組みをどう設計するかだ。
ギグワーカーはパートやアルバイトなどの雇用契約を結んでいないケースが多く、個人事業主に当たるため、最低賃金や労災保険などの制度が整備されていない。労働者保護が足りないままでは人員を安定的に確保するのが難しくなるが、逆に保護が行き過ぎればビジネスとしての成長性を損なう可能性もある。このバランスをどう判断するかが争点となっている。
「すでに海外では極めてホットな議論がなされています。特に動きが激しいのが米国。カリフォルニア州では2020年1月に、ライドシェアの運転手を個人事業主ではなく従業員だとする州法が施行されました。しかしライドシェア事業者などの間ではそれに反発する声も強く、その後、同州の住民投票で法制化を覆す提案がなされ、賛成多数を獲得するという事態になりました。それだけ、労働者保護とビジネスの成長性に対する意見が拮抗しているということです」(濱口氏)
今後はギグワーカーの増加に伴い、日本でも同様の議論が活発化していく可能性はある。
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